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日本マイクロソフトは8月30日、「Microsoft Worldwide Partner Conference 2016」の日本版となる「Japan Partner Conference 2016 Tokyo」を都内で開催した。同社はパートナー企業の「デジタルトランスフォーメーション」をさらに推し進めることを基調講演で明らかにしている。

日本マイクロソフトがクラウドビジネスへシフトする中、今後はクラウドを核にしたパートナーとのエコシステムや、クラウドビジネスの強化にあたるという。日本マイクロソフトは2017年度に重点的に取り組む分野として、「お客様のデジタルトランスフォーメーション」「クラウド利用率の増加」「デジタルカルチャーの醸成とデータプラットフォームの拡大」「法人分野でのWindows 10普及」「最新デバイスによる新たなエクスペリエンスの実現」「クラウド時代のパートナーシップ」の6つを掲げており、パートナー向けイベントである「Japan Partner Conference 2016 Tokyo」の基調講演では、デジタルトランスフォーメーションとパートナーシップについて改めて説明した。

登壇した日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏は、パートナーのデジタルトランスフォーメーションを推進させるために必要な要素として、顧客本位の体験向上につながるカスタマーリレーションシップの活用、少子高齢化による国内総生産(GDP)低下を改善するための、生産性・スキルの向上による社員1人1人のパワーアップ、業務の最適化、製品の変革の4つを並べた。

パートナー企業に対して、「色々な顧客と話をしても効率化やコスト削減はできても、新しい製品やサービスを提供するか課題に感じている方が多い。(この点について日本マイクロソフトは)デジタルトランスフォーメーションを通してお手伝いができる」と述べた。

パートナーシップについては、「今後クラウド技術が広がり、第4次産業革命(情報技術を活用した製造業の高度化)が成立すると、ITではリーチできなかったGDPの6割を占めるモノ/サービスの製造市場へもビジネスが広がる。これを実現するためには、AIやコグニティブ、ビッグデータやIoTといった先進技術を用いたソリューションを、パートナーと共に作っていくのが大事。それぞれが持つノウハウなどを組み合わせた流通経路の開発やパートナー同士の連携など、さまざまな手法を組み合わせた枠組みを目指したい」と語る。

今回は新たな取り組みとして「Practice Dev Unit(PDU)」の新設を発表。顧客のデジタルトランスフォーメーションを推進するPDUは、日本マイクロソフトの各種サービスを、パートナーが持つアプリケーションやサービスで使ってもらうための提案を行う約20名の専門部隊。クラウドインフラ運用管理、データ分析&プラットフォーム、クラウドアプリケーション、IDとセキュリティと4つのシナリオごとにパートナーとの連携を目指す。ちょうど昨年のイベントではCSP(クラウドソリューションプロバイダー)の拡張を発表し、2016年度は参加企業数が600社に達したが、日本マイクロソフトはPDCやMicrosoft Azure、Microsoft Office 365、Microsoft Dynamics CRM Onlineを対象とした問題に対して、サポートアドバイスを行う「Advanced Support for Partners」を10月3日から提供開始することで、CSP参加企業数1200社を目指すという。

米MicrosoftではすでにCSP向けに、Windows 10 Enterpriseエディションを月額で提供し、パートナー企業が持つアプリケーションなどを組み合わせて顧客に提供する「Windows 10 Enterprise E3」や、Surfaceシリーズをサービスとして提供する「Surface as a Service」を発表しているが、日本マイクロソフトでも同様の国内向けサービスを順次開始するという。その他にもデータサイエンティスト育成プログラムである「Microsoft Prof. Degree(MPD)」をスタートさせたことも紹介された。別途開催されたプレスカンファレンスで行われた日本マイクロソフト業務執行役員 パートナービジネス推進統括本部 統括本部長の浅野智氏の説明によれば、MPDはデータアナリスティックの授業を10ステップほど用意し、データサイエンティストによる評価を経て、Microsoftが学位を提供するワールドワイドのプログラムだ。背景にはデータサイエンティストの人材不足があるのは明らかだが、平野氏は先進的ワークロード構築支援として、前述のPDCやMPDによる取り組みをアピールしている。

日本マイクロソフト執行役員常務 ゼネラルビジネス担当の高橋明宏氏は、クラウド時代のソリューション全体に対する品質保証について、「1社で対応していくのは不可能になりつつある」と述べており、1社が一気通貫的にサービスを提供する時代は終わりつつあると感じさせた。パートナー企業同士のリレーションシップの向上が、日本のIT産業を成長させる秘訣ではないだろうか。平野氏も「GDPの6割を目指せるビジネスを皆さんと一緒に取りに行きたい」と語っていた。

なお、日本マイクロソフトは昨年までテレワーク週間として開催してきたワークスタイル変革へのチャレンジを「働き方改革週間2016」に改称し、2016年10月17日から今年も開催するという。

阿久津良和(Cactus)

(阿久津良和)