中国経済が一層オープンになるにつれ、中国の対外債務の状況にも注目が集まり、「対外債務危機が存在するのでは」など、懸念する声も上がっている。

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中国経済が一層オープンになるにつれ、中国の対外債務の状況にも注目が集まり、「対外債務危機が存在するのでは」など、懸念する声も上がっている。人民日報海外版が伝えた。

中国国家為替管理局の関係責任者はこのほど、「2001年以降、中国の対外債務の規模は急速に拡大しているが、その余額の変動や構造の変化、潜在的なリスク、世界の他の主なエコノミーに関する詳しい分析などを総合的に考えると、中国の対外債務のリスクは現在、全体的にコントロール可能な状態であることが分かる」との見方を示した。

専門家も、「対外債務は、経済発展と対外開放の過程における、必然的な産物。中国経済がモデル転換とグレードアップをしているのを元に、対外債務と中国経済は互いに一層促進する。対外債務危機が存在するというのには根拠に欠ける」との見方を示している。

▼合理的な債務規模

中国国内の経済主体間で貸し借りされるのが「内債」で、外国人や外国の政府にお金を借りるのが「対外債務」だ。

では、中国の対外債務務はどのような状況なのだろうか?資料によると、対外経済が急速に発展するにつれ、中国の対外債務の規模(香港、マカオ、台湾の債務は含まず)は、2001年の2033億ドル(約20兆3300億円)から、15年末には1兆4162億ドル(約141兆6200億円)に増加した。また、16年3月末現在、中国本土の人民元建ての対外債務を含む対外債務残高は計1兆3645ドル(約136兆4500億円)だ。

中国国際経済交流センターの張永軍シニアエコノミストは、「中国の対外債務のほとんどは、13年から14年の前後に、国外の融資コストが低くなったことで増加した。企業にとって、国内資金より海外資金のほうがメリットがあるとすれば、十分にそれを活用すればいい」と説明した。

中国国家為替管理局・資本プロジェクト管理司の郭松亦・司長は、「15年以降、中国経済は下振れの圧力や構造調整などの困難に直面しているが、それでも成長速度は世界で上位に入っている。15年末の時点で、中国の負債率は13%、債務率は58%、債務返済比率は5%、短期対外債務・外貨準備の割合は28%と、全て公認のレッドライン以内。他の多くの先進国や経済規模の大きな発展途上国の関連の対外債務リスク指標もクリアしている」と説明している。

▼期限構造の最適化が進む

対外債務が安全ラインにあるかは、構造にかかっている。統計によると、近年、中国の短期対外債務が占める割合は低下し続けており、今年3月末の時点でその残高は15年末に比べて8%減となった。また、短期対外債務も、ピーク時に比べて16ポイント低下した。その他、中長期の対外債務が占める割合も13年末の22%から、16年3月末には38%に上昇し、対外債務の期限構造が明らかに改善している。

郭司長は、「全体的に見ると、短期対外債務が占める割合が依然として高いが、その5割は貿易と関係のあるクレジットであり、ほぼ実際の商品の取引によって生じるもので、対外決済の多くの背景には貨物貿易があるため、ほとんどが実際の資金の借り入れではない。また、基本的に利子はないため、相応の対外債務の返済リスクも決して高くない」との見方を示している。

▼対外債務と経済は互いに一層の促進

会計学上、「貸借対照表」は、重要な財務データを示し、企業の負債と所有する資産の状況が一目瞭然となる。企業の経営状態が悪ければ、資産が少なく、負債の割合が上昇する。専門家は、「中国の海外からの借金は、負債危機に陥っている一部の国のように消費や福祉の支出に使うのではなく、生産分野に使われている。そのため、中国の対外債務と中国の経済は今後も互いに一層促進する」との見方を示している。

張氏は、「対外債務はある意味、外国の投資家の投資と同じで、海外資本が中国経済に参入しているということ。単に前者は債務関係にあり、後者は株式の関係であるだけ。どちらも、一国の経済を広い範囲で、自分の利益のためにうまく利用しているというのが本質だ。端的に言うと、誰かがお金を貸してくれるということは、貸す相手の未来に期待しているということであり、少なくとも、お金を返してくれないのではなどとは心配しない」と説明した。

中国経済が楽観視されるもうひとつの例は、国際通貨基金(IMF)が今年の中国経済の成長予測を6.5%から6.6%に上方修正したことだ。IMFの中国研究部主管ジェイムズ・ダニエル氏は、「中国は外部リバランス、内部リバランス、環境リバランス、収入分配リバランスなどの面で良い進展を見せている。中国経済の成長速度は目を見張るものがあり、中国の政策決定者が積極的に改革を推進している成果」と評価している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)