平成27年の国勢調査によると、日本の総人口に占める65歳以上人口の割合は26.7%と、世界で最も高い水準となっている。今年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」でも、「高齢者の就業促進」が掲げられるなど、シニア層の雇用は日本の経済成長の重要な課題となっている。

職場におけるシニア人材に関する調査

オランダに本社を置く総合人材サービス会社、ランスタッドホールディング・エヌ・ヴィーは、四半期ごとに世界34の国と地域の18〜65歳を対象に、労働者意識調査「ランスタッド・ワークモニター」を実施しており、このほどその中から、職場におけるシニア人材に関する結果を発表した。調査の結果、労働力人口の減少を懸念しながらも、シニア層の継続雇用には消極的な日本の状況が明らかになった。

職場におけるシニア人材に関する調査

■日本の働き手の79.8%が「今後の高齢化による国内の労働力人口の減少」を懸念。特に18~44歳までの働き手の約85%が危機感

少子高齢化による労働力人口の減少は、日本以外の国でも直面している懸案事項。グローバルでは68.2%、日本ではそれを上回る79.8%がその課題を認識している結果となった。世代別で見ると、若年層ほど労働力の減少への懸念度合いが強く、特に日本では44歳までの約85%が危機意識を持つことがわかった。

職場におけるシニア人材に関する調査

■「ビジネスの成長にシニア層の継続的雇用が不可欠」に同意した日本の18~44歳は約40%。55歳以上では69.7%で、世代間で意識に大きな差があることが明らかに

労働力人口の減少に危機感を持ちながらも、シニア層の継続雇用については、グローバルでは55.9%、日本では53.3%が「ビジネスの成長に不可欠」と回答するに留まっている。年齢が高いほどシニア層の継続雇用に必要性を感じている傾向だが、グローバルと比較すると日本は世代間の意識の差が大きく、55歳以上が同69.7%であるのに対し、18〜44歳では40%台前半という結果となった。

職場におけるシニア人材に関する調査

■45歳以上は他世代よりニア層の雇用の見通しに否定的な傾向。さらに日本では、45歳以上の8割が「シニア層はスキルの習得に苦労」と回答

「今後5年のシニア層の雇用の見通し」について、グローバルの44.1%、日本の45.9%が「明るい」と回答。世代間では、グローバルも日本も45歳以上が雇用の見通しに否定的な傾向が見られた。また、「シニア層のスキル習得」について、グローバルで67.9%が「苦労する」と回答したのに対し、日本は78.3%。中国、スペイン、香港に次いで4番目に高い結果となった。世代が高くなるとその懸念がさらに強くなり、45歳以上では80%以上がスキルの習得に「苦労する」と回答している。自身が新しいスキルを習得する難しさを認識していることが、今後のシニア雇用への期待を押し下げる結果に影響した可能性がある。

職場におけるシニア人材に関する調査

職場におけるシニア人材に関する調査

少子高齢化が進展する日本ではこれから、労働者が減ることは明白。現時点で、労働者を確保する実効性のある方法の1つが、シニア層の活用である。誰の目にも簡単な対策に写るが、シニア層の継続雇用には消極的なのは、やはり問題があると思われる。シニアは時間をかけて培ってきた業務のノウハウを持っており、企業にとって貴重な資産といえるもの。シニア層が持っている強みを生かす方法を模索して、活用の道を探るべきではないだろうか。

文/編集部