発表されたUAE戦のスタメン。左股関節に違和感のある柏木の代役はA代表デビューの大島となった。

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 ロシア・ワールドカップ出場を賭けたアジア最終予選が、いよいよスタートする。日本は9月1日にまずはホームでUAE戦を迎え、同6日にアウェーでタイと対戦する。
 
 初戦の重要性は、改めて記すまでもない。ここで躓くようであれば、ただでさえ厳しいアジアでの戦いがより一層難しくなってしまう。
 
 準備期間の短さをヴァイッド・ハリルホジッチ監督は嘆くが、UAE戦を控える日本代表は、万全と言える状態でないのは間違いない。
 
 まず、不動の左SBである長友佑都が、怪我で今回の9月シリーズは参戦できない。もっとも、この点は左右をこなせる酒井高徳を起用することで、戦力ダウンは最小限に抑えることができる。守備陣を見ていくと、GKは2次予選で着実に経験を積んだ西川周作、4バックは右から酒井宏樹、吉田麻也、森重真人、そして酒井高と、計算できる顔ぶれが並びそうだ。
 
 最大の懸念材料は、2ボランチだ。代表通算100試合出場まであと1試合の長谷部誠は、精神的支柱としても外すことはできない。

 問題はそのパートナーである。当初は、非凡な攻撃センスを備える柏木陽介が有力視されていたが、UAEとの前日練習では左股関節に違和感を覚え、別メニュー調整に。おそらく、UAE戦はベンチで見守ることになるだろう。
 
 候補者は3人。ハリルホジッチ監督からそのボール奪取能力を高く評価されている山口蛍と、リオ五輪組の遠藤航、大島僚太だ。“柏木タイプ”で考えれば、パスセンスに秀でる大島となるが、ポテンシャルを秘めているとはいえ、この大事な一戦で指揮官が“代表デビュー”を飾らせるのかは微妙なところだ。
 
 残る選択肢は山口と遠藤だが、同じ守備タイプなら、経験のある山口を選ぶのではないか。UAE戦は勝点3を目指している一方で、逆に言えば、絶対に負けてはいけない試合でもある。柏木欠場の次善策としては、「攻」より「守」を優先させるはずだ。
 
 攻撃陣は、トップ下は香川真司で異論はないだろう。ライバルの清武弘嗣と比較すれば、能力的に大きな開きはないが、実績では大きくリード。所属するドルトムントでも好調をキープし、スタメンから外れる理由が見当たらない。
 前線の3人のうち、CFの岡崎慎司、右ウイングの本田圭佑はもはや“鉄板”。本田はミランで出場機会に恵まれず、試合勘の欠如が不安視されているのは事実だ。ただ、この男のここ一番での勝負強さは、これまで何度も披露されてきた。柏木がいない以上、セットプレーのキッカーとしても最後までピッチに残しておきたいところだ。
 
 残る左ウイングは現体制下で激戦区のひとつだが、清武と予想した。

 たしかに、ハリルホジッチ監督は前日会見で、試合2日前に合流した清武、さらに原口元気に関しては「少し、明日は難しい状況かもしれませんね」とベンチスタートを示唆している。

 コンディション面を判断材料にするなら、清武や原口より1日早く帰国した武藤嘉紀が浮上してくる。ただ今回は、6月のキリンカップでの高いパフォーマンスや、香川との相性の良さを重視し、清武をファーストチョイスに。宇佐美貴史も控えるが、今夏より自身2度目の欧州移籍に挑戦中のアタッカーは、やや疲れが感じられ、状態が今ひとつの印象だっただけに選外とした。

 長谷部の相棒探しと左ウイングの選考に苦慮し、ベストメンバーを揃えられたとは言えない。新シーズンが始まった欧州組と、リーグ戦まっただ中の国内組とのコンディションのバラつきもある。約2か月間、国外キャンプを張って日本に乗り込んできたUAEに対し、日本は最大で4日間の準備期間しかなかった。直近の対戦では、昨年のアジアカップで1-1の末、PK戦で敗れている苦い記憶もある。