「痩せにくい更年期」にダイエットを成功させる食生活と運動のポイント

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女性であれば誰にでもやってくる更年期。各種の障害が出るか出ないかは別として、体の変化は確実にやってきます。

「ちょっと太っちゃった」と感じて慌ててダイエットをしてみても、昔はスグに痩せられたのに、なかなか痩せない……。この更年期特有の“痩せにくさ”は、どういった原因があるのでしょうか?

そこで今回は女性向けの医学事典『ウィメンズ・メディカ』や厚生労働省の情報を基に、更年期に女性が痩せづらくなる理由や食事・運動によるダイエットのポイントをまとめたいと思います。

 

■1:更年期で太りやすくなる理由

そもそもどうして女性は更年期になると痩せにくくなるのでしょうか?

(1)女性ホルモン(エストロゲン)量の減少

その理由の1つは、卵巣で作られる女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減ってしまうため。

女性の体には卵子の入れ物である卵巣が2つ備わっています。この卵巣は20代の後半をピークに、サイズが小さくなっていくといいます。

20代の後半では3〜4cm程度でも、50歳前後の閉経後になるとそのサイズはほぼ半分の大きさに……。結果として卵巣で作られる女性ホルモンの量に影響が出てきてしまうのです。

さらに女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、脂質の代謝にも深く関係しています。

食物に含まれる脂質は、小腸で酵素によって分解され、その後はリンパ管を経て血管に入って、主に筋肉と肝臓で利用されます。余った分は体内の各組織に戻って、脂肪として蓄えられます。

この脂質代謝を女性ホルモンは促してくれるのです。よって女性ホルモンの分泌が低下すれば、更年期の女性は自然とやせにくくなってしまうのです。

(2)筋肉量・基礎代謝の低下

筋肉量の低下も、更年期に女性がやせにくくなる原因の1つとして挙げられています。

先ほど、脂質は肝臓と筋肉で主に消費されると述べました。人の体は約400カ所の筋肉で覆われているといいますが、太もも、お尻、おなか、背中などエネルギーを使う大きな筋肉ほど、年齢とともに衰えやすいと言われています。

筋肉量が落ちれば、基礎代謝へも影響が出てきます。基礎代謝とは寝転んでいるときに消費されるエネルギーの量。脳や臓器の働きがその多くを占めていますが、筋肉も多くのエネルギー消費を担っています。

筋肉が衰えれば自然と基礎代謝も下がります。結果としてダイエットに成功しにくい体になってしまうのです。

さらに「運動なんて全然していない」という女性は要注意。体を動かす習慣がない女性は、筋肉の低下に歯止めが掛かりません。

体を動かさないまま後期高齢期を迎えたとすれば、太ももの筋肉の量は30代のころと比べて半分程度まで小さくなってしまうのだとか……。

足腰の大きな筋力が低下すると、疲れやすくなります。おっくうで余計に動かなくなれば、日に日に筋肉は縮んで、いよいよエネルギーが消費されにくい体になってしまうのです。

(3)内臓脂肪がつきやすくなる

運動不足の更年期の女性は、皮下脂肪が増えるだけではありません。内臓脂肪も増えてしまいます。

内臓に脂肪がびっしりと付いて、生活習慣病を引き起こしかねない状態を“メタボ”、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と言います。

おへそ周りのウエストサイズが90cmを超えるポッコリおなかの人は要注意。

生活習慣は変えていないのに若いころと比べてウエストサイズが大きく変わったという人は、女性ホルモンが減少している証拠かもしれませんね。

いずれにせよ以上のような理由から、脂肪をため込みやすい体、太りやすい体質になってしまうのです。

 

■2: 更年期ダイエットのポイント

先ほどは更年期の女性がどうして太りやすいのか、その原因を紹介しました。では痩せづらくなった女性は、どうすればダイエットに成功できるのでしょうか?

(1)ダイエットのポイント

・過度な食事制限はやめる

若いころと違って、過度な食事制限はNG。リバウンドのリスクがあるだけでなく、お肌や髪がボロボロになってしまうからです。

口にする栄養素を極端に減らしてしまえば、一時的に脂肪が減って体重も減るかもしれません。しかし筋力まで落ちてしまいます。

先ほども触れたように、更年期の女性は筋力が衰えがちになります。その状態で栄養不足になり筋力をさらに落としてしまえば、一層やせにくい体になってしまい、リバウンドしやすくなるのです。

また、過剰な食事制限はお肌や髪の美しさにも悪影響を与えます。女性ホルモンはコラーゲンの生成を助けて張りのあるお肌を作ってくれる働きもあります。その女性ホルモンが減る50代前後の女性が、たんぱく質やビタミンなどの栄養素まで減らしてしまえば、お肌や髪が“栄養不足”に陥りボロボロに……。

糖質抜きダイエットもNGです。脳のエネルギー源である糖質(ブドウ糖)をカットしてしまえば、脳の働きの低下につながります。

女性ホルモンは脳の血流の維持、記憶力、うつなどにも関係します。

ただでさえエストロゲンが減少する更年期の女性がさらに糖質までカットしてしまえば、仕事や私生活に重大な悪影響が及ぶ恐れも……。

・過度な運動はやめる

更年期の女性のダイエットでは、やはり運動は欠かせません。筋肉量がどんどん減ってきていますので、その流れを食い止める必要があるからです。

筋力が高まれば基礎代謝も上がります。また、運動は骨まで強くします。骨粗しょう症も視野に入ってくる更年期の女性にとって、運動は絶対に欠かせません。

ただ更年期の無理な運動は、けがや病気の心配があります。ご自分のコンディションに見合った、負担のかからない運動を心がけたいですね。

 

■3: 更年期ダイエットの食生活の基本

更年期の食事について、さらに詳しく考えてみましょう。

(1)血糖値を上げない

更年期の女性は基礎代謝も落ちていますから、運動不足の人は特に、血糖値の大きく上がる食事メニューや食べ方を見直したいところです。

食物が口に入ると胃腸で分解され、小腸からブドウ糖が吸収されます。そのブドウ糖は筋肉や脳などでエネルギー源として使われますが、余れば捨てられずに皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられてしまいます。

そこで幾つかの工夫が必要になります。例えば“血糖値が緩やかに上がる食べ物”のチョイス。

同じ炭水化物(食物繊維+ブドウ糖)を多く含んだ食品でも、食後に血糖値を一気に上げてしまう食べ物と、そうでない食べ物があります。

『WooRis』の過去記事「糖尿病になりにくい!“血糖値の上昇を抑える朝食の食べ方”3つ」でも触れていますが、主食で言うと玄米、ライ麦パン、全粒粉パン、オールブランシリアルなどは、食べた後にゆっくりとブドウ糖が血液の中に入っていきます。

他には”血糖値が上がらない食べ物を先に食べる”といった順序も大切です。

米ワイルコーネル大学医学部によると、野菜やたんぱく質の多く含まれた“おかず”を主食より先に食べると、血糖値の上がり方が緩やかになるのだとか。サラダやメインを食べて、最後の方に主食をちょっと食べるといった食事の順番を心がけてみてください。

かみごたえのある生野菜などを先に食べれば、かむ回数が増えて満腹感が高まるというメリットも。

また、食物繊維(水溶性)が胃の中で膨らんで、おなかを満たしてくれる効果もあります。結果として満腹感が高まり、炭水化物(主食)の摂取量も減らせるのですね。

(2)腹八分目よりも少なめを心がける

とはいえ食べ物のチョイスや食べる順番を工夫しても、毎日満腹まで食べてしまってはエネルギーのとりすぎになる恐れも……。

基礎代謝の落ち込む更年期ですから、腹八分目を意識するだけでなく、腹八分目をちょっと下回るくらいにとどめてみてください。

(3)3食きちんと摂る

血糖値を一気に上げないという意味では、3食のバランスも大切になってきます。

・朝食をたくさんとる

一番多く食べたいタイミングは朝ご飯。朝食を抜くと排便のリズムが狂うだけでなく、おなかがすいて昼食をドカ食いしてしまいます。ドカ食いは食後の血糖値を急上昇させるNGな食べ方です。

・夜は早めの時間に少なめの量を食べる

遅い夜ごはんには注意してください。夜は家事も少なく出歩く用事もありませんので、どうしてもエネルギーを使うチャンスが減ってしまいます。

エネルギーを消費するチャンスが少ない夜にたっぷり食べてしまうと、余った分が体に脂肪としてたまってしまいます。

遅い時間の食事は消化も上手にできません。翌朝の食欲に影響を与え、朝食の欠食にもつながりますので要注意ですね。

 

■4: 更年期ダイエットの運動のコツ

先ほど運動について軽く触れましたが、あらためてエクササイズについて考えてみましょう。

(1)有酸素運動

カロリーを効率よく消費するには、やはり有酸素運動が効果的だと言われています。

・水泳、ウォーキング

最も手軽なスポーツとしては、水泳やサイクリング、ウォーキングが挙げられます。消費カロリーの目安としてウォーキングは30分で80kcal。サイクリングは30分で111kcal、水泳は30分で518kcalとなります。

有酸素運動ではありませんが、厚生労働省によるとスクワットなどのレジスタンス運動や、ウォーキング、ジョギングが老化による筋力の低下防止に有効だと言います。

階段の上り下りも立派なトレーニング。5分で上りは31kcalの消費になります。お孫さんが居る方は、子守も運動になります。

ただ、更年期の女性はひざや腰にトラブルを抱えている人が少なくないはず。そのような場合は、足腰の負担が軽い、プールでのウォーキングも効果的です。

・20分以上の運動が必要

スクワットなど筋量の維持やアップを狙うレジスタンス運動の場合は、数十秒など短期間でも効果が期待できます。

しかし有酸素運動でエネルギーを燃やしたい場合は、最低でも20分以上は運動を続けてください。

ただ、連続ではなく、細切れでも大丈夫。5分の運動を細切れに4回行うといった考え方でもOKですよ。

(2)上半身を使った運動

後期更年期の方であれば、腰痛や変形性膝(しつ)関節症などに悩まされている可能性も考えられます。その場合は上半身を使った運動を心がけてみては?

・腕を振る、腕立て伏せなど

例えば座ったまま軽いダンベルを持ち上げたり、走るように両腕を振ったり、立ったまま壁に向かって腕立て伏せをしたりといった運動が考えられます。

・心拍数を上げて、酸素の摂取量を増やす

運動量がもの足りない場合は、腕を振る速さを上げたり、腕立て伏せのテンポをアップさせたりする方法もあります。

全力で運動をして休むとといった運動を繰り返していると、心拍数も息も上がって、心肺機能も鍛えられていきます。

 

■5:更年期のやせにくい原因と中年太りを撃退するダイエットのまとめ

以上、更年期の女性がやせにくい原因と、その対処法である食事の方法と運動のやり方を紹介しましたが、いかがでしたか?

更年期は女性ホルモンが減ってしまい、その影響で脂肪の代謝が衰えるとお伝えしました。また筋力も基礎代謝も落ちています。

若いころの違いを補うためにも、生活の中で食事のとり方を工夫し、運動を今まで以上に心がけてくださいね。

(ライター 坂本正敬)

 

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【参考】

※ QOLの維持・向上に大切な筋肉は? : e-ヘルスネット - 厚生労働省

※ 基礎代謝量(きそたいしゃりょう): e-ヘルスネット - 厚生労働省

※ 井口登美子(2003)『ウィメンズ・メディカ 女性の〈からだと心〉安心医学』(小学館)

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