ドラ1候補に躍進した作新学院・今井達也のスゴさとは!?

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 第98回全国高校野球選手権大会が閉幕して10日余り。甲子園を沸かせた“あの球児達”がU-18日本代表に集結。現在、台湾で第11回BFA U-18アジア選手権を戦っている。アジアの頂点を目指した戦いが終われば、その先には運命のドラフトが待っている。

 日本代表に名を連ねた選手のなかで、注目したいのは、今秋のドラフト戦線で一気にドライチ候補に躍進した作新学院の今井達也だ。

 母校を54年ぶり優勝に導いた“怪物右腕”は、横浜・藤平尚真、履正社・寺島成輝、花咲徳栄・高橋昂也といった「BIG3」の陰に隠れていたが、夏の甲子園で投げた5試合でメキメキ評価を上げ、ファンやプロのスカウトを驚かせた。

 今夏の甲子園、筆者は注目投手を中心に1球ずつスコアをつけながら観戦してきた。そのデータをもとに今井の魅力を明らかにしてみたい。

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■今大会最速タイ・152キロのストレートが魅力

 とにかく球が速いのだ。びっくりするほど速い。これは大きな魅力だ。スピードボールは球威で押し通す力技も可能になるため、多少のコントロール不足を覆い隠すことができる。ピッチングの軸になるストレートが走ると、変化球をより生かすこともできる。

 NPBのストレート平均球速が142キロとされるなか、今井は今大会で投げた616球のうち、145キロ超えを154球で記録した。これは全投球数の25パーセントに当たる数字だ。ぽっと出の1球や2球だけではなく、安定してスピードボールを投げ込む能力を有している。

 この割合は同じく剛速球が魅力の藤平の24パーセントと肩を並べるもの。145キロ超えでの成績は39打数4安打(全て単打)、24奪三振、被打率.103だった。

 また、150キロ超えは16球を計測。今大会最速タイの152キロを創志学園・高田萌生と分け合った。

■際立つ空振り奪取能力の高さ

 面白いほどバットに球が当たらない。振っても振っても、空を切る。漫画みたいな世界がそこにあった。

 打者がスイングしてきてもバットに球を当てさせなければ、暴投などの例外をのぞき、投手不利の結果はまず発生しない。いかにストライクを取るかが永遠の課題になる投手にとって、空振りは見逃しストライクの次に安全にストライクを奪う方法でもある。今井はその能力に長けている。

 空振りを奪えるのはストレートの速さだけではなく、130キロ台前半のカットボールなどの優れた変化球を持っていることが大きいのだろう。今井は打者がスイングしてきた時、31パーセントの割合で空振りを奪った。この割合は、藤平が33パーセント、寺島が21パーセント、高橋が27パーセントだったので、BIG3に引けを取らない数字だった

 今年のドラフト会議は10月20日に予定されている。今井は原稿執筆時点で「プロ志望」を明言していないが、プロ志望届を出すなら競合も予想される。甲子園で才能を開花させた“怪物右腕”の進路が、今から楽しみだ。

柴川友次(しばかわ・ゆうじ)信州在住。郷里の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える、楽天応援の野球ブロガー。各種記録や指標等で楽天の魅力や特徴、現在地を定点観測するブログを2009年から運営の傍ら、有料メルマガやネットメディアにも寄稿。【関連記事】