連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第22週「常子、星野に夢を語る」第128話 8月30日(火)放送より。 
脚本:西田征史 演出:松園武大


星野(坂口健太郎)の亡くなった妻・加奈子の父・弓岡柳生(志賀廣太郎)が3年ぶりに訊ねて来て、娘が亡くなる前に託した伝言を星野に託す。

それは、再婚のすすめだった。

そのために3年ぶりに訊ねてきたのか、お父さん。この老紳士には加奈子のほかにこどもがいて、老後の面倒をみてくれるのだろうかとか余計なことが気になってしまった。そして、弓岡柳生なんて無駄に凝った名まえなのだけれど、今後も登場する可能性はあるのだろうかとも。

そうとは知らない常子(高畑充希)は、アイロンの商品テストを終え、花山に原稿を託す。
部屋でひとりになる花山(唐沢寿明)。時計の秒針の音が大きく響く中、目をつぶる。これまでの様々なアイロンのテストを思い浮かべながら、瞑想。
やがて、商品試験の話を常子としたときの話を思い出し、ペンを握る。

大層、飾り気のない実務的な文章が生まれ・・・。
画面変わって、常子がそれを主婦達の前で音読している。

文句ない原稿と常子は褒めるが、あとで社員のひとりが雑談のなかで「(電気屋の前を通ると)あの光景こそが『希望』っていうんだろうね」と詩的なことを言って、そのほうがまだ原稿になるのでは、と余計なお世話だが思った。

そして、今後、主婦の方ならではの感性で商品テストをすることに決定。
あのアイロンテストに、主婦らしい感性で導きだしたものがあったとは思えないけれど、それについてあれこれ思いを巡らせるよりも、テレビを離れてハンカチやシャツにアイロンでもかけたほうが有効だ。頭の中で、某ドラマの主題歌クリープハイプの「鬼」の「あーもう疲れたよ疲れたよ♪」「わかってないわかってない♪」が流れはじめた。

そしたら、まさに鬼の形相の古田新太のアップが映し出され、「妖怪人間ベム」次回の悪はこの人! みたいで、そうか、「とと姉ちゃん」で次々、意地悪な人が登場しては消えていったのは、2011年に放送された日本テレビの土9ドラマ「妖怪人間ベム」的な構造だったのかと驚愕。

「妖怪人間ベム」は60年代にアニメとして誕生した人気作のリメイクで、西田征史の代表作となった。心優しい妖怪人間たち(「ごちそうさん」の杏がそのひとり)がいつか人間になれる日を夢見て、心優しい人間に災い成す悪と戦い続ける。そんな彼らに理解を示し手を差し伸べる人間もいれば(美子役の杉咲花もそのひとり)、頭ごなしに迫害しようとする者もいて・・・。

いったい何が守られるべき者と排除される者を分つのか。人間のなかの善と悪について問う作品だったが、この哲学的要素はたぶんにプロデューサーの河野英裕(「奇跡の人」「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「セクロボ」「Q10」「銭ゲバ」「妖怪人間ベム」「泣くな、はらちゃん」「ど根性ガエル」など)によるところが大きいと思われる。

話を戻して、古田の役名は、赤羽根憲宗。こちらも無駄に凝った名まえだが、彼は活躍しそう。それにしても、弓岡柳生・・・凝った名まえなんだけどなあ・・・。

129回も楽しみです。
(木俣冬)