『節約博士のトクトク探検 引っ越し大作戦』(平場健仁/風濤社)

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 読者の中には、会社から異動の辞令をもらって、あわてて引っ越しの準備を進めている方がいるかもしれない。もしくは、年末や来年の春に引っ越しを考えている方もいるだろう。すでに引っ越しを済ませた方にも、散乱した家財に囲まれて途方に暮れている方にも、紹介したいのが『節約博士のトクトク探検 引っ越し大作戦』(平場健仁/風濤社)だ。本書は、金や時間を浪費することなく、ストレスのない節約した引越しの方法を紹介している。節約とは、ケチになることではない。無駄なお金や時間や体力を極力避け、できるだけ楽をするということだ。合理的という言葉がピッタリだろう。時間がない人のために、文字量も節約しながら本書を紹介していこう。

◆万全な引っ越し準備が成功のカギを握る

 引っ越しは準備こそが成功の秘訣だ。この準備を怠ると、浪費の嵐が待っている。引っ越しを大きく左右するのが「何人の引っ越し作業員に来てもらうか」「どの大きさのトラックに何台来てもらうか」だ。本書の調査によると、2t車で30卆茲涼楼茲悵っ越すとき、作業員が1名増えるごとに約2万円が加算されるという。また同様に、300卆茲涼楼茲悵っ越すときは、1名増えるごとに3万円以上が加算されるという。移動距離が長くなれば、当然単価も高くなるわけだ。2t車が4t車に変わると、同様に値段が変わってくる。だからといって安易に「作業員を減らすべき!」「2t車を頼むべき!」というわけではない。我が家の家財量をきちんと把握し、それを正しく業者に伝えて判断してもらうことが節約につながるのだ。いい加減に家財量を伝えてしまうと、作業員に過不足が起こる。多ければ、当然金を浪費する。少なければ、時間と体力を浪費し、サービスの質の低下を招く。トラックを頼む場合、同じ4tでも、2t車2台と4t車1台では、2t車2台の方が5万円以上高くなるという。しかし、うかつに4t車で転居先を向かうと、道が細くては入れないという地獄を見ることもある。どんなに忙しくても、引っ越しの準備をおろそかにすると、余計に金と時間を食ってしまうのだ。

◆見積もりに業者の体質が表れる

 ところが、上記の判断は心がけることはできても、素人には限界がある。そこで重要になってくるのが見積もりだ。業者が大手か、中小業者かによって値段が大きく変わる。一般的なイメージでは、大手の方が高いが、安心感がある。しかし、3月の引っ越しシーズンでは人手不足に陥り、単発アルバイトのテキトー作業をされることもありうる。結局は現場の作業員の対応の問題で、大手かどうかはあまり考えない方がいいようだ。つまり、見極めは見積もりにある。実際に家に来てもらい、家財量をしっかり見て判断して値段を出してもらうことだ。業者の営業マンの中には、かなり強引に契約を取ろうとするところもあるらしいが、そこは節約のためにきっぱり「後日返事をします」と断るべし。さらに電話だけの見積もりしかせず「うちはプロだから任せて」という業者もいるようだが、論外だ。上記のトラブルのもとになる。見積もりに来た各社の営業マンに、他社の価格を提示し、価格の検討をしてもらうこと。なぜ他社よりも安くできたのか、なぜ他社よりも高いのか、納得できるまで説明を受けて、その上で引越し業者を決めるべきだという。

◆あまり知られていない引っ越しの方法

 JRの貨物便を使った引越しの方法もある。500勸幣紊両豺腓楼造なる可能性があるのだ。さらに航空機の貨物室による引っ越しも可能だ。航空機自体の輸送は思ったよりも安いようだ。飛行場までの荷物の輸送が節約のポイントになるという。どちらも変わった引っ越し方法なので今回は割愛したが、気になる方は本書をチェックするか、実際に問い合わせてみてほしい。学生や単身者は、荷物タクシー「赤帽」を使う方法もある。タクシーというだけあって、料金は距離制運賃。本書によると、1〜50劼任1劼瓦箸185円、51〜100劼任1劼瓦箸145円、101勸聞澆1劼瓦箸100円らしく、非常に分かりやすい料金だ。これに積み降ろしの料金が15分ごとに450円かかってくるという。

 いかがだろうか。本書には、この他にも様々な節約テクニックが書かれていたが、やはりポイントは「準備」と「見積もり」にあるようだ。ここを怠ると、一気に金と時間を損する。ぜひ上手な引っ越しをしてほしい。

文=いのうえゆきひろ