幼稚園・保育園でも注意したい「いじめられる子」親のタイプと10のサイン

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夏休みが終わり新学期を迎える初日に、「子どもがいじめで自殺」という悲しいニュース。

上の子から下の子への暴力、取るべき親の行動は?

いじめ問題は主に小学生、中学生で起こりますが、実は、幼稚園、保育園でもあります。

いじめに遭わないためには幼児期からどんな育て方をすればよいのでしょうか。

今日は『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。

40年あまりも続いている、魔の「9月1日」

内閣府が発表している自殺対策白書では、以下のように発表されています。

18歳以下の自殺者において、過去約40年間の日別自殺者数をみると、夏休み明けの9月1日に最も自殺者数が多くなっているほか、春休みやゴールデンウィーク等の連休等、学校の長期休業明け直後に自殺者が増える傾向があることがわかる

内閣府 平成27年版自殺対策白書(学生・生徒等の自殺をめぐる状況)

統計データを見てみると、18歳以下の自殺者数推移について1日あたり40人〜60人前後となっているところ、9月1日のみが明らかに突出しており、2倍以上の約130人にも登っています。

これについて同資料では、

「学校の長期休業の休み明けの直後は、児童生徒にとって生活環境等が大きくかわる契機になりやすく、大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすいと考えられる。このような時期に着目し、彼らの変化を把握し、学校や地域、あるいは家庭において、児童生徒への見守りの強化や、児童生徒向けの相談や講演等の対応を 集中的に行うことは効果的であろう。」

と述べられています。

小中高校生だけではない!? 早めに気付きたい、幼稚園・保育園でのいじめ

幼児期はまだ人間関係を構築する上での練習期間ですので、玩具を取った取られた、お友達を叩くなどの光景はよく見られます。
また仲が良い証でよくぶつかり合うこともしばしば起こります。これはいじめとは言えませんね。

けれども次の場合はいじめの芽生えだと言えるでしょう。

□特定の子を長い期間に渡り集団で仲間外れにしたり、無視したりする。

□保育者が見ていないところで持ち物を隠したり落書きをしたりする。

では、幼稚園・保育園で「いじめられてしまう子」とはどのような子なのでしょうか。

「いじめられてしまう子」の特徴と親のタイプ

■1)親から「こういう子でありなさい」と押し付けられている

幼い頃から「良い子にしていなさい」「人に迷惑をかけてはいけません」とわが子に言い続け、「どこへ出しても恥ずかしくない子に育てたい」の強いポリシーで子育てしていた場合、自分の親にさえ「いじめられているから助けてください」のSOSを出さないことがあります。

幼稚園、保育園で友達から何かやられたときにグッとこらえて我慢してしまうのではなく、担任の先生に「●●君が僕のこと叩きました」とワーワー泣いて訴えられる子どもの方がいいのかもしれません。

そして、子どもが泣きついてきたとき「そんなことくらいで泣いて弱虫ね!」などと大人は言ってはなりません。

何でもひとりで受け止めてしまい感情に蓋をしてしまう子どもは、いじめっ子から「あいつはいじめても先生にチクらない」と思われてしまい、いじめがエスカレートすることもあります。

反撃できる子の方がターゲットにはなりにくいのです。

■2)気が利くママに育てられている

子どもがモジモジしていると「どうしたの、トイレ行きたいの?」「お腹すいたの?」「喉が渇いたの?」と察しが良すぎるお母さんの元で育てられた子は、「いつか大人が気が付いてくれるだろう」と思い、自分がピンチに立たされても待っているだけで訴えることをしなくなります。

こんな例もありました。

ある5歳児が幼稚園の帰りの会で大便をしたくなりました。
こんなとき家庭ではママが「ほら、トイレ行ってきなさい」と言ってくれる環境なのですが、20人近く園児がいる環境で、先生はモジモジしている子どもになかなか気付けず、声をかけてはくれません。そこで、座ったまま大便を漏らしてしまいました。
その後、その子は「うんこをもらした」と陰でほかの子たちに言われていました。

「トイレに行ってきていいですか」の一言がどうしても言えなかったのですね。

親は子どもの顔色や態度をみて「何をしてほしいのか」瞬時にわかってしまうものですが、このような事態を避けるためには、ヘリコプターペアレント(=頭上を旋回して管理する親のこと)にはならず、子どもに言わせる習慣をつけていくことが必要です。

親が気付きたい、いじめのサイン10

そうはいっても、子どもが訴えてくるまで黙って見過ごすことはしないでください。

生まれたときからずっと育てているお母さんには他人にはない鋭いアンテナがあります。こんなサインがひとつでも見られたら要注意です。

□感情的な高ぶりがひどくすぐに泣いたり怒ったりする。

□寝つきが悪く、朝もすんなり起きてこなくなった。

□持ち物がなくなっている。

□小さな傷が絶えない。

□洋服やかばんに落書きされている。

□病気でもないのに食欲がなくなってきた。

□笑顔が少なくなった。

□髪の毛を自分で抜いている。

□爪かみが激しくなってきた。

□以前は夕食時、園であったことを色々と話してくれたのに最近は口数がめっきり減ってきた。


「強い子であってほしい、弱音を吐いてはいけない」と普段育てている場合、「誰かにいじめられているんじゃないの?」と追求すると、子どもは親に責められている感じがしてしまい、余計隠したくなります。

こんなときはさりげない会話、例えば「幼稚園では誰と遊んでいるの」「今日はどんなことして遊んだの?鬼ごっこ?積み木」。そんな会話の端々で「誰も僕と遊んでくれない」とポロリと実態が見えてくることもあります。

「そんなときは、神経質な親だ」と思われてもいいので園の先生に「最近、家で体調が悪いわけでもないのに元気がなくなっているのですが園での様子はどうでしょうか」と相談してみましょう。

もしいじめなどが全くなかった場合、取り越し苦労で、大騒ぎしてしまいママが恥ずかしい思いをするかもしれませんが、それはそれでOK。
“一時の恥”くらい子どものためにかいてしまいましょう。

わが子を守るために積極的に園の先生にまず相談することが大切です。

「いじめなんかに負けるな!」はどうなのか

子どもがいじめられていると知ったとき、お母さんのなかには「強い子になってほしい」の願いから、つい「いじめなんかに屈しないで、あなたもやり返しなさい!」と励ましてしまう人もいます。

でも、ちょっと子どもの立場に立ってみましょう。唯一の逃げ場である家庭で「いじめなんかに負けるな!」と言われたら、子どもは逃げ場を失ってしまいます。

いじめがわかったときは「嫌だったら逃げていいんだよ。転園(転校)する方法だってあるんだからね」と言ってやった方が、どんなに心が救われるでしょう。


幼児期は単なる子ども同士のケンカであることも多いですが、その中に陰湿ないじめが隠れていることもあります。

いじめ問題に関しては「いじめられる方も問題がある」という意見もありますが、弱い者をいじめる、いじめた側が絶対に悪いのです。「自分の子が弱虫だから非がある」なんて思わないでくださいね。