捕獲されたアリゲーター(出典:http://www.fox19.com)

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“ハンティング”といえば銃や弓を使って鹿や小動物を射止めるものだが、アメリカには“アリゲーターハンティング”が存在する。スポーツ感覚でハンティングを楽しむものだが、アリゲーターが数多く生息するミシシッピ州で今月26日にアリゲーター狩りが解禁となった。

毎年この時期に開催されるミシシッピ州のアリゲーターハンティング。ハンティングが許可される期間は10日間のみだが、参加するには前もって許可証を購入する必要がある。許可証は150ドル、ライセンス取得にさらに25ドルと決して安くはないが、今年は応募者数が6千にも上り、許可証920枚が販売開始から45分で売り切れたという。許可証の発行数は生態系のバランスが崩れることがないように、毎年アリゲーターの生息数によって決められているそうだ。

参加できるだけでもラッキーなアリゲーターハンティングだが、27日深夜には「ミシシッピ州の公共用水域で捕獲されたオス」としては最大のアリゲーターが引き上げられ、新たな記録保持者が誕生した。捕獲されたのは重さ約311Kg(686ポンド)、体長約416cm(13フィート7.875インチ)、腹回りが約150cm(59インチ)という大物で、仕留めたのはヴィックスバーグ市在住のティファニー・ ウィンケさん(Tiffany Wienke)という女性ハンターだ。ウィンケさんはこれが3度目のハンティング参加で、捕らえたアリゲーターはその長さで既存の記録を3mm(0.125インチ)更新した。この記録更新にウィンケさんは「3mmとはいえ、今までより大きいことに変わらないわ」と喜びを隠せない様子だ。

そしてハンティングの様子を次のように語っている。

「場所はクレイボーン郡ポート・ギブソン近くのバイユー・ピアあたりです。川にはたくさんのハンターがいましたが、なるべく人がいない場所にボートを走らせました。岸から岸へ移動する中、一頭の大きな獲物を発見したのは夜9時半ごろでした。」

この時点でウィンケさんがハンティングを始めてから20時間が過ぎていたという。

「ボートを運転する夫と私を含む6人のメンバーの誰もが、ゆうゆうと泳ぐアリゲーターの大きさに息を呑みました。フィッシングのようにフック2本を引っ掛けたものの、ポール部分が折れアリゲーターは水中に姿を消してしまって。その20分後、水面に上がってきたところを狙い再びフックを掛けました。結局、あのモンスターアリゲーターを引き上げるまでに2時間もかかりました。」

ミシシッピ州『Wildlife Fisheries and Parks』のアリゲータープログラムのコーディネーター、リッキー・フリントさんは「29日午前までにすでに200頭のアリゲーターが捕獲されています。捕獲されるアリゲーターの最長記録は毎年更新されています。14フィートから15フィート級(約426cmから457cm)の大物が息を潜めているはずですから。まぁ、いつかは捕まると思いますよ」と話している。

ちなみにハンティングの許可証保持者は、期間中2頭までの捕獲が可能だそうで、参加者のほとんどは捕獲したアリゲーターをルイジアナの処理業者に売却するということだ。革製品や食用など幅広く利用されるアリゲーター。こんなふうに捕獲されているとは、アメリカならではであろう。

出典:http://www.fox19.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)