『音楽を通じて体験価値を届けたい』auが夏フェスに注力したワケ。SWEET LOVE SHOWERをビデオパスで生配信

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動画サービスで今トレンドとなっている「生配信」。auの動画配信サービス「ビデオパス」においても、生配信がスタートしました。その第一弾は夏フェス。山中湖で8月26日から3日にわたり開催された「SWEET LOVE SHOWER」を無料で生配信するという内容です。その取り組みをお届けします。

ビデオパスは、月562円で利用できるauユーザー向けの定額制動画配信サービスです。

今回auは、ビデオパスにおける初の生配信として、山梨県の山中湖で8月26日〜28日の3日間にわたり開催された夏フェス 「SWEET LOVE SHOWER」の「FOREST STAGE」を生配信しました。同フェスには、サカナクションや夜の本気ダンス、オレンジレンジなど著名なバンドが多数参加し、3日間で約5万人が参加。auはトラフィックの集中を見越して、付近に移動基地局車も配備されていました。

▲夏フェス「SWEET LOVE SHOWER」

▲uP!!!を通じてKDDIも同フェスに協賛している

▲フェス会場に配置された移動基地局車

▲生配信は720p解像度で配信。大画面のタブレットでも鮮明な画質で視聴できた

生配信で新たなユーザー層の取り込み狙う


なおビデオパスは、基本的にはauユーザー限定のサービスです。ところが今回の生配信では、auユーザー以外にも開放し、キャリアを問わず無料で視聴することができました。これはドコモが自社サービスを他キャリアのユーザーにも開放する、いわゆるキャリアフリー戦略を彷彿とさせますが、「キャリアフリーを目指したのではなく、結果的にそうなっただけ」とKDDIの広報担当者は説明します。

というのも、サービスを使うさい、アカウントの登録やID・パスワードを使ったログインは最も躓きやすいポイント。今回はそれを省き、ビデオパスアプリをダウンロードさえすれば生配信が視聴できるという手軽さを追求したというわけです。

auはライブ配信の意義について、「ビデオパスに新たなユーザー層を取り込める」と説明します。ビデオパス会員は現在約100万人ほど。約3800万人いるauユーザーの38分の1に過ぎません。生配信という新たなコンテンツで新たなユーザーを引き込むには、視聴の手軽さは欠かせません。

なおビデオパス自体は、ドコモがエイベックスと共同で提供するdTVに比べると、コンテンツ数では見劣りします。これについて担当者は「旧作を集めていたずらに本数を増やす必要はない。お客様は流行っている作品を観たいという心理がある」といいます。

このため、ビデオパスでは最新ドラマの見逃し配信に注力しているほか、TOHOシネマズと提携し、auスマートパス会員であれば、毎週月曜日は映画が1100円で鑑賞できる「auマンデイ」のプラスアルファとして、ビデオパス会員であればポップコーンが半額になる特典を用意。さらに、通常有料の新作映画レンタル視聴が毎月1本まで必ず無料になるキャンペーンを展開するなど、新しい作品にフォーカスを当てて他の定額制動画配信サービスとの差別化を図ります。

音楽フェスに協賛で「ちょっと得をした」体験を


なおKDDIは今回、SWEET LOVE SHOWERを生配信するだけでなく、前述のとおり「ぴあ」との共同事業であるUp!!!を通じ、同フェスに協賛しています。auが同フェスに協賛する意義について担当者は「auのお客様に音楽を通じて体験価値を届けられる」と話します。

体験価値というのは今年KDDIが盛んに用いているワード。確かに会場には、auスマートパス会員またはuP!!!会員専用の充電ブースや、Apple TVやサイン入りTシャツが当たる抽選ブースが設けられていました。また事前にはauスマートパス会員向けに、抽選で同フェスのチケットが当たるキャンペーンも実施。非日常感のあるフェス会場でauユーザーに「ちょっと得をした」という体験を与えられることは確かで、低価格を売りにするMVNO、いわゆる格安スマホとの差別化にも繋がります。

▲フェス会場に唯一あった携帯電話充電ブース、充電できるのはuP!!!会員かauスマートパス会員のみ

▲ビデオパスアプリをダウンロードすることで参加資格を得られる抽選も。景品はApple TVや出演バンドのサイン入りTシャツなど。

▲ビデオパスを起動すると、真っ先にライブ配信を告知するポップアップが表示された。

なおauは着うたフルの頃からアーティストと連携し、音楽への取り組みを強化していました。今回のSWEET LOVE SHOWERでも、開始前には生配信するアーティストの予習チャンネルを「うたパス」に設けたほか、終了後には協賛アーティストのセットリストをうたパスのチャンネルにまとめるなど、単に配信して終わりでない力の入れようが印象的。担当者は「お客様に気持ちよく音楽を楽しんで頂くという気持ちで取り組んでいる」と語りました。