あえて競争しない…頑固一筋のワイナリーがつくる至上のロゼ

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マンハッタンからは車で2時間もかからず、日帰りで十分楽しめることから、週末には多くの観光客が押し寄せるロングアイランド地区のワイナリー。

この地区のワイナリーは、しっかりしている赤ワイン、そしてニューヨークという大都市で好まれる軽めの白ワインが特徴的だ。

いずれも高品質でお手頃価格とあって、地元ニューヨーク以外でも広く愛飲されている。

しかし10キロの範囲に数十軒ものワイナリーがあったのでは、言うまでもなく競争は熾烈となる。

独自性を打ち出す出すワイナリー

そこで各ワイナリーとも、それぞれの独自性を出す事に必死となっている。

それぞれが生産するワインに特徴を出す事はもちろん、観光客の集客のための試飲スペースを充実させせるワイナリーや、結婚式などに利用できるイベントスペースを用意するなど、様々な手法をとっている。

今回ご紹介するクロトーは、そんな状況の中でロゼだけを作り続けるワイナリーだ。

あえて競争しないという選択肢

もちろん彼らだって作ろうと思えばどっしりとした良質の赤も、軽めの白も生産できる。

しかし彼らは敢えてそれらには背を向け、ロゼワインの生産だけに集中しているのである。

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言うまでもなくこの判断は、競合との差別化を目指したものだ。

自らが、いかに切磋琢磨して素晴らしい製品を生み出しても、競合も同様に優れた商品を生み出し、その競合が多数となったならビジネスの成功は困難となる。

であれば、あえて主流派から離れることで、独自性を保つことができる。

やや小さいかもしれないが、その市場を独占するという手法は経営判断として「アリ」だろう。

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親しみやすく、お洒落なワイナリーを目指しているクロトーは、リムジンで乗り付けるような客層はシャットアウトしている。

同時に「団体客お断り」や「試飲では飲みすぎ注意」など、顧客の選別にも細心の注意を払い、あくまで彼ら自身がより良いと思われる製品やサービスを提供している。

なんだか頑固オヤジが経営する小料理屋のようなワイナリーだが、日本古来のビジネスに相通じるものを感じさせる。

人気のほどは言うまでもなく、毎年出荷されるロゼワインはほぼ完売となっている。

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一点集中ビジネス

現代の日本の企業の応用力は素晴らしいものがあり、本業とは直接関連していないかのように見える分野への進出や、その結果の成功という事例には枚挙がない。

しかしロゼに特化するという、やもすれば狭窄とも取られかねない手法だ。

かねてより日本古来のビジネスとはそういうものであったはず。

しかし今はそういう日本の美点を維持し続けるビジネスはすっかり減ってしまったようだ。

かつての日本のビジネスとは、本業を頑なに守りより高度に研ぎ澄ませていくというものが多かった。

今、諸外国の注目ビジネスには、敢えて多様性を排除し、一つの突き詰めたビジネスモデルに集中するものが多い。

「私たちのビジネスはローズ・オン・パーパス(Rose on Purpose)です」と胸を張るクロトー氏。

「ロゼ一筋」とでも訳せば良いのか。これもまた日本の頑固職人にも見えて来る。

ニューヨークのワインが頑固一筋。何か楽しくなってはこないだろうか。

クロトー
http://www.croteaux.com