「男女とも30分以上セックスに時間をかけることで、本当の悦びを味わえます」
 こう語るのは、『脳で感じるセックス入門』などの著作を持つドクター林氏だ。

 皆さんのセックスタイムは普段、何分ほどだろうか。
 「おそらく30分未満の方が大半だと思います。私が独自に調べた調査(男女合わせて100人)でも、キスや前戯は10分〜15分、挿入は長くて10分。7割以上が30分にも達していなかったのです」

 自分ではじっくり責めたつもりでも、実際は時間があまり経過していないことも多いようだ。では、なぜ30分以上必要なのか。
 「人間は幸せを感じるとオキシトシンと呼ばれる脳内ホルモンを分泌するんです。このオキシトシンがたっぷり溢れた状態でのセックスは、非常に気持ちがいい。日常生活のストレスも忘れて、ひたすら愛するパートナーとのひと時に酔い知れ、一体感を味わえる。男女ともイキやすくなるのも間違いないです」

 オキシトシンは“脳内麻薬”と言われるほど、陶酔感を与えてくれるのだ。
 ゆえに、危険な脳内ホルモンでもあるという。
 「ある実験で、人間にオキシトシンを故意に投与したところ、その人は詐欺に引っ掛かりやすくなったと言われています。つまり、他人を信じやすくなり、他人に強く頼ってしまうようになるんです」
 しかし、それが信頼できる男女のセックスタイム中なら何の問題はない。むしろ、より情熱的に濃厚な愛の交換を楽しめるワケだ。

 ここで話を戻そう。セックスの快楽が一段と増すオキシトシンは、どうすれば脳内から分泌されるのか。
 「まず、パートナーとのスキンシップです。愛する人とキスや抱擁など、粘膜や肌を密着し合うことで、脳内が“幸福感”に満たされて、オキシトシンがどんどん溢れてくるんです。ただし、これには一つの条件があります」

 実はココが大事。オキシトシンが分泌されるまでに、時間も必要なのだ。
 「それがズバリ、スキンシップを開始してから、30分以降なんです。確かに、軽くキスや抱擁をするだけでは、人間はそれほど強い幸福感を覚えません。じっくりと肌を合わせること30分…言い換えれば、30分以上も抱き合っていれば、自然と互いを信頼できる仲になれるんです」

 お分かりだろうか。30分未満のセックスでは、真の幸福感を男女とも得られないのだ。
 「もちろん、セックスのやり方や好みは人それぞれ。獣のごとくすぐに激しくヤラれたいという女性もいますし、ネチネチと時間をかけるセックスなんて男らしくないという考えの男性も少なくない。それはそれで否定しないのですが、いわゆる“身も心もとろける”ような状態になるには、やはりオキシトシンの分泌が欠かせません。そうなると、セックスは30分以上かけるべきなんです」

 とくに、技術はあっても体力に自信のないシニア男性は、オキシトシンセックスを目指したほうが性行為を楽しめそうだ。
 「無理に勃起させる必要もない。ただただ密着すること30分以上。それで十分、女性をトロトロにさせられるのです」

 挑戦してみる価値はあるぞ。

ドクター林
弘邦医院(東京・江戸川区)院長。『脳で感じるセックス入門』や『お医者さまが教える癒されてもっと気持ちよくなる!』など著書も多数。ED治療にも精通しており、現在、同医院では局部海綿体注入法による「ICI治療」も行っている。