タイ代表の絶対的エースである「ムイ」ことティーラシン・デーンダー。今回『サッカーダイジェストWeb』の独占インタビューに応じてくれた。写真:佐々木裕介

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 ティーラシン・デーンダー、28歳。ニックネームは「ムイ」。
 
 所属するムアントン・ユナイテッド(以下、ムアントン・U)とタイ王国代表で、ともに10番を背負い、老若男女から愛されるタイサッカー界の至宝である。内気である彼は、海外メディアの取材を滅多に受けないことで有名なのだが、今回初めて日本メディア単独取材が許された。
 
 インタビューは8月18日の午後、ムアントン・Uのホーム・SCGスタジアムのアウェーチーム用ドレッシングルームで行なわれたのだが、ホーム側のそれとは異なり、少しひんやりとした殺風景な空間に“アウェーの洗礼”をひしひしと感じながら待つこと2時間、いや満を持してということなのか、「至宝」はようやく私の前に現われた。
(取材・文・写真:佐々木裕介)
 
――◆――◆――
 
――今回は取材を受けていただき感謝しております。本当にありがとうございます。
 
 いえいえ、こちらこそありがとうございます。このような取材を受けられて私も光栄です。
 
――今までに日本メディアの取材を受けられたことはあるのでしょうか?
 
 いいえ、ありません。
 
――では今回が日本メディアとして初の独占取材になるのですね?
 
 はい、今回が初めてです。
 
――日本代表と同組となったロシアワールドカップ・アジア最終予選を間近に控えたこのタイミングで取材を受けてくださったことに正直驚きましたし、また嬉しくも思っています。
 
 私たちのチームにはナオアキ・アオヤマ(青山直晃選手/元清水など。2015年からムアントン・Uでプレー)が所属しています。彼は大切な仲間ですし、彼に対して敬意を込めて、出身国である日本のメディアの取材を受けさせていただきました。
 
――本当にありがとうございます。まずは日本のサッカーファンにティーラシン選手のことをよく知ってほしいので、プライベートなお話から聞かせてください。ご出身はタイのどちらでしょうか?
 
 生まれも育ちもバンコクです。
 
――サッカーは何歳からプレーされているのでしょうか?
 
 7歳で始めました。
 
――家族構成は?
 
 父、母と妹がひとりいます。
 
――妹さんもサッカー選手だそうですね?
 
 そうなんです。妹(タニーカーン・デーンダー/兄同様にヨーロッパでのプレー経験も持つストライカー)もタイ王国女子代表で、ポジションも私と同じFWです。小さい頃は父に教えてもらいながらよく一緒にボールを蹴っていました。
 
――またそのお父様(プラシット・デーンダー/現役時代は主にロイヤル・タイ・エアフォースFCでプレー)もサッカー選手だったと聞きました。ティーラシン選手や妹さんと同じく国を代表するスター選手だったのですか?
 
 父もサッカー選手でしたが、現役時代は3部リーグレベルでプレーしていた選手で、トッププレーヤーという訳ではありませんでした。
 
――兄妹揃ってサッカー選手となり、またタイ王国代表に選ばれるとは素晴らしい「サッカーファミリー」ですね。やはりお父様の影響が強かったのでしょうか?
 
 幼少期から常にサッカーが近くにある環境で育ったのは事実です。確かに今の私たちがあるのは、影響を強く受けた父のおかげだと思います。
 
――私も時々、SCGスタジアムへムアントン・Uの試合を観に寄らせてもらうのですが、ご両親がティーラシン選手の名前が入ったユニホームを着て観戦されている姿をよく拝見するんです。
 
 そうなんですよ(笑)。余程のことがない限り、両親はスタジアムへ応援しに来てくれるので嬉しく思っています。