夏の終わりの激しい咳はブタクサ花粉症かも

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夏の終わりになるとゴホンゴホンと咳(せき)が出始めるアナタ、季節の変わり目の風邪と勘違いしてはいないだろうか。花粉症といえば、2月から4月にかけて猛威を振るうスギやヒノキのイメージが強いが、8月から10月に飛散のピークを迎える「ブタクサ花粉症」の患者が最近増えている。

このブタクサが、地球温暖化によって全世界で猛繁殖しており、今世紀半ばの2050年頃にはブタクサ花粉症の患者は倍増するという研究が、米医学誌「Environmental Health Perspectives」(電子版)の2016年8月25日号に発表された。

地球温暖化で倍増の危険

ブタクサは、北米原産のキク科の植物で、日本には明治期に入ってきた。「豚しか食べない草」を意味する英語の「ホッグ(豚)ウィード(雑草)」から名づけられた。よく空き地や河川敷、道端に密生し、7月から10月にかけて黄色い小花が集まった房を細長く連ねるので、ひと目見ればすぐわかる「雑草」だ。高さ1メートルほどなので、花粉の飛散距離は数百メートル程度だが、1株で1シーズンに数億個もの花粉を飛ばし、繁殖力は旺盛だ。

欧米では花粉症患者の大半が、ブタクサアレルギーといわれ、原産地の米国では人口の5〜15%がブタクサ花粉症だ。欧州でもブタクサの密生地が拡大し、フランスでは2002年に患者は人口の4%だったのに、2014年には13%に急増、被害が深刻になっている。日本では4人に1人がスギやヒノキなどの「春の花粉症」患者だが、6人に1人がブタクサなどの「秋の花粉症」患者で、「第3の花粉症」として注目されている。

今回、論文を発表したのは英イーストアングリア大学の研究チーム。それによると、ブタクサの密生地がどんどん拡大しているのに加え、地球温暖化によってブタクサの花粉飛散シーズンが各国で長期化する傾向にあり、現在、欧州全体で約3300万人いるブタクサ花粉症患者が、2050年頃には約7700万人に倍増すると推測。さらに花粉の量も増えるため、症状自体が重くなると警告している。

女性につらい「吹き出物」「顔のはれ」「ピリピリ痛み」

花粉症の専門サイトをみると、「ブタクサ花粉症は、8月の終わりごろに咳が出始めるのが特徴だが、スギ・ヒノキに比べ、なじみが薄いため、夏風邪をこじらせたと勘違いする人が少なくない」と指摘。そして、次のような症状があるという。

(1)夏の終わりからくしゃみ、目の強いかゆみ、充血が出てくるのは、ほとんどブタクサの影響と思ってよい。目の周りの皮膚に影響を及ぼすため、目がかゆくても絶対にかいていはいけない。

(2)花粉がのどの奥まで侵入するため、咳が止まらなくなりやすい。

(3)ブタクサ花粉症の人は果物系の食物アレルギーを併発しているケースが多いため、メロンやスイカ、キュウリなどウリ科の食べ物に注意する。

(4)特に女性にはうれしくない「吹き出物ができる」「顔が赤くはれる」「ほてる」「ピリピリ痛む」など皮膚の症状が出やすい。

ただ、スギやヒノキと違って、ブタクサは花粉の飛散距離が短いため、密生地に近づかなければ被害は少ない。マスクを常備して、密生地を通る時はすぐに身につけよう。