地球温暖化で逃げ出す動物たちの「移動マップ」

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海面上昇と気温上昇に対応して、2,900種類を超える鳥類、ほ乳類、両生類が「逃亡」する可能性があると推定されている。生態学者によって作成された動物たちの「行動マップ」に学ぶ、人類が動物のためにできることとは。

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別荘をもつ人間と同じように、より快適な気候を求めて季節的に移動する動物たちがいる。科学者らはそうした移動を長年にわたりマッピングし、そこにパターンがあることを確認してきた。さらには、移動のルートを遺伝子で伝える動物もいる。

しかし、「Migrations in Motion」が予測しているのは、気候変動によって強制される新たな種類の移住だ。この新しいデータ可視化プロジェクトは、非営利組織「The Nature Conservancy」とワシントン大学の調査に基づいており、海面上昇と気温上昇に対応して、2,900種類を超える鳥類、哺乳類、両生類がとりうる移動を描き出している。

その動きは不安を誘うとはいえ、インタラクティヴなマップそのものは魅惑的に見える。南北アメリカの黒い地図のうえに、色の付いたオタマジャクシのようなものが動いている。色分けされた流れは、さまざまな種の現在の生息地と、気候変動に対応するために必要になる移動先とを結んでいる。

極めてたくさんの種類の動物が、生息地を逃げ出して地球の両極や高地に向かうのがわかる。もうすぐ地球のかなりの部分が、動物が生息しにくい土地になる可能性があることを痛感させられる。

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赤色は哺乳類、青色は鳥、黄色は両生類。

さまざまな動物の現在の生息地と未来の生息地を結ぶため、科学者たちは電子回路における流れのモデルを利用した。電気技術者は何十年も前から回路の振る舞いの予測にこうしたモデルを使ってきたが、近年では生態学者がこれを取り入れ、遺伝子の流れなどをマッピングしたり、絶滅危惧種の保護に役立てたりしているのだ。

Migrations in Motionでは、都市、インフラ、水域といった「移動ルートを決定づける要因」を回路モデルで表している。The Nature Conservancyの生態学者でこのマップを作成したダン・マイカは、「例えば、五大湖の周辺で動物たちが五大湖を回避しているのは、動物のほとんどが水域を通り抜けることができないためです」と説明する。「ニューヨーク市もそうです」

「わたしたちが生きているうちに、この地図のような極端な移住を見ることになるかはわかりません」とマイカは言う。「(現実は)この地図ほどわかりやすくはありません」。一方でMigrations in Motionは、現在人間にできることについても教えてくれる。

2016年の調査で、よりましな気候へと移住する動物たちは米国の土地のうち41パーセントしか通行できないことがわかった。残りの59パーセントは開発によって移動が遮断されているのだ。

例えば高速道路に野生生物たちのための陸橋をかけるなど、動物を締め出さないスマートなインフラによって、動物たちの状況を改善することは可能だ。新たな通路が開かれることで、動物たちは移動に成功し、うまくいけば新しい気候に適応できるかもしれない。

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