日中両国は最近、高官が会談しており、緊迫した関係を改善する動きに出た。写真は8月、G20を控え交通規制が敷かれる杭州。(STR/AFP/Getty Images)

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 9月初め中国杭州市で開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20)における、日本の安倍晋三首相と中国の習近平国家主席との首脳会談を前に、両政府高官がこのほど交流を強化したため、尖閣諸島(中国名釣魚島)問題などで緊迫した日中関係に、改善の兆しが見られている。香港メディアはこうした動きの背景に、中国側がG20開催成功を、日本側は外交成果の強調を目的にしたもので、長期的な関係改善にはつながらないだろうと報じた。

 8月24日、日中韓3カ国外相会談が東京で開催された。中国・王毅外相と日本・岸田文雄外相が会談した際、双方は中国公船の尖閣諸島周辺への侵入について意見が対立したが、緊迫した日中関係の改善の必要性で一致した。

 また谷内正太郎・国家安全保障局長は25日、中国を訪問し、李克強首相と楊潔篪国務委員とそれぞれ会談した。李首相は日中関係について「一日も早く正常な軌道に戻す必要がある」と積極的に発言した。谷内氏は尖閣諸島をめぐって日本政府の立場を強調したうえで、杭州G20首脳会議において安部首相と習主席との会談について協議が行われたとみられる。

 日中政府高官の接近 互いに政治的意図

 香港紙「明報」(28日付)はこうした日中政府高官の接近は両国政府の政治的意図があると分析する。中国で初めての開催となるG20首脳会議の成功を最優先にしたい中国は、日本に対してG20開催中と閉会後に公開される共同声明で南シナ海問題には言及しないことを希望している。

 日本側は、中国公船と漁船による尖閣海域への侵入の減少や停止を望むほか、東アジア地域の平和と経済的発展に重要性を持つ日中韓3カ国首脳会談の開催を、年内に実現したい狙いもある。3カ国首脳会談が実現すれば、日本の現政権にとって大きな外交成果となることは間違いないと評した。

 いっぽう、同紙は、日中間では尖閣諸島など重要な課題がまだ解決されておらず、秋に中国李克強首相が訪日し3カ国首脳会談に出席するかどうか、日本側がG20以降南シナ海問題をめぐって中国側を厳しく追及するかどうかを見極める必要があると、長期的な関係改善は難しいとの見解を示した。

(翻訳編集・張哲)