9月4〜5日に中国杭州市で開催されるG20首脳会議に備えて、中国政府当局は戦車などを投入し早くも厳戒態勢に入った(ネット写真)

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 9月4、5日開催の主要20カ国・地域(G20)首脳会議を控える中国浙江省の杭州市では早くも厳戒態勢に入り、市内では人民解放軍の戦車や兵士、武装警察が配置された。8月20日からは市内で一部のスーパーマーケット、商店、食品市場などが次々と閉鎖され、一部の企業も休業になった。生活に支障をきたした市民から不満が噴出している。

 人民解放軍が防衛準備態勢に、戦車などを投入

 米国の中国語メディア「博聞社」の報道によると、想定外の事態に備えて、中国共産党中央は武装警察機動隊の2個師団を投入し、人民解放軍東部戦区に対しても第1級の防衛準備態勢に入ることを命令した。また会議場を中心に、半径50キロ〜300キロの3つの防空区域を設定し、いかなる不明飛行物体にも備えた防空ミサイルを配置したという。

 また市民によるソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の投稿によると、市内各主要街道に戦車や軍用車などが多く出現し、上空ではヘリコプターで巡回を実施している。市内のあちこちで、警戒に当たる人民解放軍兵士や武装警察が巡回しているという。 

 交通規制実施、地下鉄などで手荷物検査

 浙江省警察当局の発表によると、8月28日〜9月6日まで、省内杭州市、寧波市など一部の高速道路に対して、ナンバープレート末尾数字の奇数・偶数の交通規制を行うという。現在杭州市内に出入りを許された自動車は杭州市のナンバープレートだけだ。

 また、杭州市内の地下鉄、バス、ホテル、空港では手荷物検査が実施されている。地下鉄、バスの利用者には、お茶などの液体の持ち込みを厳しくチェックしている。

 古い住宅壊す、スーパーも閉鎖、仕事も学校も休みに

 G20の開催で世界に向けて、杭州は清潔で素晴らしい街だとアピールするため、市政府は今年上半期に約200の道路整備プロジェクト、85のインフラ設備建設プロジェクトを実施したことで、あちこちで工事が進められた。外国人によくないイメージを与えるとの理由で、4月、G20会議場付近の余杭区の古い住宅を強制的に取り壊し、抵抗した住民に武装警察を出動させた。化学関連、アパレル関連企業などに対しても、全面的な生産停止を命じた。

 杭州市政府の6月末の発表よると、市政府は、杭州市上城区、江干区などの9つの区にある企業や学校に対して9月1〜7日までの臨時休業・休学の通達を出した。また8月20日からは市内の商店、レストラン、23日からはスーパーマーケット、農産物市場も順番に閉鎖されるという。

 市民の李さんは大紀元の取材に対して、「バーなどの娯楽施設はすでに閉鎖された。ピザなどの配達サービスやレストランの出前もほとんど利用できなくなった」と話した。

 李さんによると、スーパーや市場などの閉鎖で、食品や日用品の購入ができなくなる上、品物の値上げを恐れる市民は現在「必要な物を蓄えるため、みんなが爆買いしている」「(その様子は)まるで略奪だ」という。李さんも、15日午後スーパーに買い物に出かけたが、豚肉や野菜などがすでに売り切れになっていた。

 仕事を休ませられ、買い物も困難、ちょっとした外出も厳しくチェックされる市民の多くは杭州市を離れることを余儀なくされている。李さんもその1人。浙江省政府は期間中に旅行に出かける市民に対して優待政策を実施、他省への観光を奨励。安徽省や貴州省などは杭州市民に対して観光特別割引などの政策を打ち出した。

 

 市民の不満噴出、軍の投入に「何を恐れているのか」

 インターネット上では、市民から不満が噴出している。「もともとにぎやかな街なのに、なぜわざわざ空にするのか?」、「G20のために、市民生活がめちゃくちゃにされた。杭州はもう正常でない」、「世界級レベルの会議を開催するにあたって国力を証明するため、より多くの人々の来訪を歓迎しなければならない。なのに、中国共産党はメンツのため、市民を悪者扱いして追い出している」

 過剰な厳戒態勢に対して市民は「G20を開催するだけだよ。何を恐れているのか?」と疑問。一方で「悪いことをやり尽くしているから、(外国指導者や世界の人々の前で暴露されるのを)恐れているのでは」との声もあった。

 中国共産党政権始まって以来、国民はその圧政に苦しみ、社会の不満が空前絶後の状況になっている。中国共産党に陳情しても弾圧されるだけだと考える人々は、G20開催中に参加国の指導者や外国メディアに直接陳情する機会を探ると思われる。その事態が起きれば、中国共産党は国際社会において長い間、苦労して育てた「人権擁護」のイメージが完全に崩れ去っていく。まさにこれを恐れているのであろう。

 (翻訳編集・張哲)