2018年ロシアW杯アジア最終予選がスタートする。6大会連続の本大会出場を目指す日本代表は、9月1日の初戦でUAE(埼玉スタジアム)と、9月6日の第2戦でタイ(バンコク)と対戦する。

◆最終予選は初戦がすべて

 過去のデータをひも解けば、W杯出場のためには、最終予選の初戦は絶対に落とせない。W杯予選の長い歴史の中でも、最終予選の初戦を落とした国がアジアの代表として本大会に出場したケースは一度もないのだ。W杯出場の可否は、まさしく初戦にすべてが集約されていると言っても過言ではないだろう。

 日本も開催国のため予選免除となった2002年W杯を除いて、過去W杯出場を果たしたときは、最終予選の初戦ですべて勝利を飾っている。逆に、最終予選まで駒を進めながら、本大会出場を逃した4大会は、ことごとく初戦で取りこぼしている。

 W杯予選に初めて参加した1954年W杯予選をはじめ、1962W杯予選、1986年W杯予選は、そのアジア最終予選初戦で韓国に敗れている。1994年W杯アジア最終予選では、初戦のサウジアラビア戦でスコアレスドロー。最終的には、かの有名な「ドーハの悲劇(※)」を招く結果となった。
※最終戦のイラク戦で後半ロスタイムに痛恨の同点ゴールを奪われて、得失点差で予選敗退

【日本のW杯アジア最終予選初戦の戦績】
1954年W杯予選=日本1●5韓国(H)→予選敗退
1962年W杯予選=日本1●2韓国(A)→予選敗退
1986年W杯予選=日本1●2韓国(H)→予選敗退
1994年W杯予選=日本0△0サウジアラビア(カタール)→予選敗退
1998年W杯予選=日本6○3ウズベキスタン(H)→本大会出場
2006年W杯予選=日本2○1北朝鮮(H)→本大会出場
2010年W杯予選=日本3○2バーレーン(A)→本大会出場
2014年W杯予選=日本3○0オマーン(H)→本大会出場
※( )内のH=ホーム、A=アウェー、国名は開催地(以下同)

◆UAEとの対戦成績は五分

 さて今回、日本が初戦で対戦するUAEは、やっかいな相手だ。昨年1月に行なわれたアジアカップでも準々決勝で対戦。PK戦の末に敗れ、日本はアジアカップ連覇を逃した。2012年ロンドン五輪や、昨年のアジアカップでも注目を集めたMFオマール・アブドゥルラフマンら若手選手の台頭が著しく、今回の最終予選でもかなり苦戦を強いられそうだ。

 そもそも日本は、UAEとの相性がいいとは言えない。これまでFIFAおよびAFC主催の公式戦で8度対戦しているが、対戦成績は日本の2勝4分け2敗(PK負けを含む)と五分。公式戦で3試合以上戦っていて、日本と五分以上の戦績を残しているのは、アジア勢では他に韓国とオーストラリアだけ。このデータからも、UAEの手強さがわかる。

 また、UAEは日本のホームで勝利を収めた唯一の西アジア勢(2005年キリンカップ/0−1)。日本はホームといえども、相当な警戒が必要だ。

【日本vsUAE、過去の公式戦戦績】
1988年アジア杯=日本0●1UAE(カタール)
1992年アジア杯=日本0△0UAE(日本)
1994年W杯予選=日本2○0UAE(H)
1994年W杯予選=日本1△1UAE(A)
1998年W杯予選=日本0△0UAE(A)
1998年W杯予選=日本1△1UAE(H)
2007年アジア杯=日本3○1UAE(ベトナム)
2015年アジア杯=日本1●1(PK4-5)UAE(オーストラリア)

◆最終予選第2戦は「鬼門」

 このところW杯アジア最終予選の初戦は4連勝中という日本だが、同第2戦に関しては非常に成績が悪い。過去8戦で1勝3分け4敗。勝率は1割弱である。前回のヨルダン戦に勝つまでは、一度も勝利を収めることができなかった。そういう意味では、この第2戦も楽観視はできない。

【日本のW杯アジア最終予選第2戦戦績】
1954年W杯予選=日本2△2韓国(H)
1962年W杯予選=日本0●2韓国(H)
1986年W杯予選=日本0●1韓国(A)
1994年W杯予選=日本1●2イラン(カタール)
1998年W杯予選=日本0△0UAE(A)
2006年W杯予選=日本1●2イラン(A)
2010年W杯予選=日本1△1ウズベキスタン(H)
2014年W杯予選=日本6○0ヨルダン(H)

 その第2戦で対戦するのは、2002年W杯予選以来2度目の最終予選進出を果たしたタイ。今回の予選では、強豪イラクと同じ組に入った2次予選で無敗の首位通過を決めた。決して侮れない相手だ。

 とはいえ、過去の公式戦では日本の5戦全勝。親善マッチなどJFA公認試合を含めても、通算対戦成績は13勝3分1敗と圧倒しており、一見取りこぼしはなさそうに思える。

【日本vsタイ、過去の公式戦戦績】
1994年W杯予選=日本1○0タイ(H)
1994年W杯予選=日本1○0タイ(UAE)
2004年アジア杯=日本4○1タイ(中国)
2010年W杯予選=日本4○1タイ(H)
2010年W杯予選=日本3○0タイ(A)

 ところが一方で、不吉なデータもある。タイとの第2戦はアウェーでの開催となるが、同地(タイ)で行なわれたJFA公認の最近10試合の戦績が3勝1分け6敗と大きく負け越しているのだ。

 要するに、タイという地は日本とっては"鬼門"。油断すれば、足元をすくわれてもおかしくない。

【タイで開催された日本の国際試合、最近10試合の成績】※JFA公認
日本1●2韓国(1970年アジア大会)
日本0●1インド(1970年アジア大会)
日本0●2クウェート(1978年アジア大会)
日本4○0バーレーン(1978年アジア大会)
日本1●3韓国(1978年アジア大会)
日本1△1タイ(1997年キングス杯)
日本0●1スウェーデン(1997年キングス杯)
日本1●3タイ(1997年親善試合)
日本2○0北朝鮮(2006年W杯予選)
日本3○0タイ(2010年W杯予選)

 ちなみに、日本は9月に行なわれるW杯予選の連戦で失点を許さなければ、韓国とアイルランドが保持するW杯予選連続完封記録(11試合)に並ぶことになる。相手は強くなるが、ぜひ達成してもらいたいものだ。

【現在継続中の日本のW杯予選連続完封記録】
日本1○0イラク(2014年W杯予選)
日本0△0シンガポール(2018年W杯予選)
日本3○0カンボジア(2018年W杯予選)
日本6○0アフガニスタン(2018年W杯予選)
日本3○0シリア(2018年W杯予選)
日本3○0シンガポール(2018年W杯予選)
日本2○0カンボジア(2018年W杯予選)
日本5○0アフガニスタン(2018年W杯予選)
日本5○0シリア(2018年W杯予選)

宝田雅樹/National Football Teams-Results●文&データtext&data by Takarada Masaki/National Football Teams-Results