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落雷によって人や動物の命が奪われる事故は世界中で多く発生していますが、たった1発の雷で323頭もの野生のトナカイが死んでしまうという非常に珍しい出来事がノルウェーで発生したことが明らかになっています。

323 villrein drept av lynet

http://www.miljodirektoratet.no/no/Nyheter/Nyheter/2016/August-2016/322-villrein-drept-av-lynet/

Lightning strike kills 323 wild reindeer in southern Norway - BNO News

http://bnonews.com/news/index.php/news/id5073

これはノルウェー南部にあるハダンゲルビッダ高原で起こったもの。現地では、半径50メートルの範囲に横たわるおびただしい数のトナカイの死骸が確認されています。以下のムービーにも見られるように、十数頭の小さなグループが集まって300頭を超える大集団を作っていた様子がわかります。

Freak lightning strike kills 323 reindeer in Norway - YouTube

ノルウェー環境省が撮影した映像には、高原に非常に多くの死骸が横たわっている様子が映し出されています。



ハダンゲルビッダ高原には1万頭を超える野生のトナカイが生息しており、ヨーロッパでも有数の生息地となっています。今回の出来事ではその約3%がたった1発の雷で命を落としたと見られることから、非常に珍しい出来事として報じられています。



高い社会性を持つトナカイは、悪天候などの際にはお互いに身を寄せ合って乗り切る習性があります。今回はその習性が裏目に出る形で被害を大きくしてしまったようです。



犠牲となったトナカイの総数323頭の中には、幼いトナカイ70頭も含まれていました。



この出来事が発生した詳細な日時を特定することは難しい状況ですが、2016年8月26日(金)に発生していた悪天候の際に発生した雷が原因と見られています。同日の夕刻に現地に足を運んだ狩猟関係者が大量のトナカイの死骸を発見し、現地当局に連絡。その後、28日(日)になってようやく現地入りできた当局職員によって被害の全貌が確認されることになりました。

デイリー・テレグラフが公開している以下の映像には、ヘリコプターで空撮された現地の様子と、事件発生時に現地に近い場所で一般の人が撮影していた落雷の瞬間らしき様子が収められています。

Freak lighting bolts kill 300 reindeer in Norway - YouTube

ちなみに、これまでに確認されていた雷による動物の大量死は、2005年にオーストラリアで家畜の牛68頭が感電死した事件で、ギネス記録にも認定されているとのことで、今回の事件が認定されるためには雷との因果関係を証明する必要がでてきそうなので、ギネス記録更新と言うことにはならないのかも。

また、1971年には旅客機に落雷したことで91名の命が奪われるという事故も発生しています。これは、アマゾン上空を飛行中だったLANSAペルー航空508便が激しい乱気流と落雷により翼を損傷し、墜落したという事故で、こちらは「Worst lightning strike disaster (落雷による最悪の災害)」としてギネス記録に認定されています。なお、この事故では最終的に1人の少女が救出されています。

航空事故の一覧 (1960年から1979年) 2.2 1971年 - Wikipedia (小項目下部に記載あり)

LANSA Flight 508 - Wikipedia, the free encyclopedia