ルールはルールだ。だが、ルールを変えるべきなのかもしれない。

今季からラス・パルマスに加入したMFケヴィン=プリンス・ボアテングは、リーガエスパニョーラ開幕から2試合連続ゴールと好調を維持している。そのボアテングのある行為が、処分に値するという。イタリアメディアが伝えた。

28日のグラナダ戦でゴールを決めた際、ボアテングはユニフォームの下に着ていたTシャツのメッセージを見せた。書かれていたのは、「FORZA ITALIA(頑張れ、イタリア)」。24日に発生した地震で大きな被害を受けたイタリアへ連帯を示したメッセージだ。


ボアテングは2010年から2013年までジェノアやミランでプレーし、昨季もシーズン途中からミランに在籍した。ミラン時代にはスクデットも獲得している。かつて自身が活躍したイタリアでの災害に、心を痛めているのだろう。

だが、このメッセージがリーガ規則では処分に値するという。どんな内容や目的であっても、Tシャツなどを見せることは3000ユーロ(約34万円)の罰金になるというのだ。

ボアテングの恋人であり、イタリアでサッカー番組にも出演するタレントのメリッサ・サッタは、ツイッターで「あ然としちゃうわ! 苦難にあるイタリアへのオマージュなのに。サッカーはみんなを団結させるはずよ!」と驚きをあらわにしている。


ただ、最終的にボアテングが罰金を支払わずに済む可能性もあるという。

現在ナポリでプレーするFWホセ・マリア・カジェホンは、エスパニョールでプレーしていた2010年に、急逝した元同僚ダニ・ハルケの顔がプリントされたシャツを見せ、ゴールをささげたことで罰金処分を科されたが、その後スペインサッカー連盟が処分を取り消している。ボアテングのケースでも同様に、最終的に処分が撤回される望みはあるとのことだ。