写真撮影/小川裕夫

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2016年8月、「念願の大将軍駅に行ってきたー」「麗しの姫路モノレール」というツイートが話題になっていた。そえられたテキストと写真、ニュースなどを総合すると、どうやら解体を目前にして見学イベントが行われ、随分と盛り上がっていたようだ。「大将軍」駅とはどんな駅なのか? イベントの様子とあわせて紹介しよう。

わずか8年で歴史に幕。幻の姫路モノレールと「大将軍」駅

「大将軍」駅と聞いて、ピンとくる人はどれだけいるだろうか。それもそのはず、「大将軍」駅は兵庫県姫路市にある、1979(昭和54)年に廃止になった駅なのだ。実はかつて、「姫路」駅と「手柄山」駅をむすぶ姫路市交通局モノレール線、通称「姫路モノレール」が走っていて、「大将軍」駅はその唯一の中間駅だった。しかし、利用客があまりにも少なかったため、大将軍駅は1968年から使われなくなり、その後、モノレール自体も1974年に休止、その5年後に廃止が決まった。姫路モノレールが運行されていたのはわずか8年あまり。いわば幻の路線と駅、それが姫路モノレールと「大将軍」駅なのだ。

【画像1】断面から見ると、建物中腹に駅があったことがよく分かる(写真撮影/小川裕夫)

【画像1】断面から見ると、建物中腹に駅があったことがよく分かる(写真撮影/小川裕夫)

ユニークなのが、ホームが10階建てビルの4階部分に設置されていること。しかも、軌道がビルを貫いているという、なんともダイナミック(?)な構造で、高層階に日本住宅公団(現UR都市機構)の賃貸住宅があり、低層部には商業施設があったという。今でこそ駅とタワーマンション、商業・公共施設の一体開発は珍しいことではないが、その当時からしたら、まさに夢の建物&乗り物であったに違いない。

しかし、今年秋、「大将軍」駅と高尾ビルの解体が始まることから、8月に見学イベントが企画されたという。一般公開は実に48年ぶりだったため、ツイッターにはこの見学会に当日参加した人のコメントがあふれていて、ニュースなどでもこの見学会の様子が報じられ、話題になっていたというワケだ。

鉄道ファンもマンションオタクも大興奮!

見学会が開催されたのは、今月8月13日14日の2日間。1回見学時間は45分、事前の抽選で当選した人のみが見学できたという。

【画像2】「大将軍」駅のホームの様子。ほぼ半世紀ぶりの公開となれば、応募も殺到するというもの(写真撮影/小川裕夫)

【画像2】「大将軍」駅のホームの様子。ほぼ半世紀ぶりの公開となれば、応募も殺到するというもの(写真撮影/小川裕夫)

【画像3】ホームを反対側から。各メディアの取材も多数(写真撮影/小川裕夫)

【画像3】ホームを反対側から。各メディアの取材も多数(写真撮影/小川裕夫)

参加した人のツイートには、

「姫路モノレール大将軍駅 おまけ写真 階段の途中からはレールが真横に見えました。 建築も鉄道も好きな私としてはぜひ見てみたかったここ。行けて良かったです。 解体前に企画してくださり本当にありがとうございました」
「50年前の最新鋭、アパートと一体化した姫路モノレール大将軍駅です。ご査収ください」
「姫路市営モノレール 大将軍廃駅の上部は高層アパート。ガラスの割れが痛々しい。3年くらい前までは人が住んでいたそうな」
「大将軍駅見学。子供の頃から、不思議やったので見ることが出来て良かった」

一方で、抽選はかなり高倍率だったようで、こんなコメントも。

「落選したんだよチクショウ」
「行きたかった」
「姫路モノレールの大将軍駅見学会の申し込み件数って最終的に約4500件近かったらしくて、仮に1件4人(最大)で申し込みしてたと仮定すると18000人が700人の枠を取り合ったってことですか、そうですか(唖然」

参加した人のコメントを見ているとどうやら、鉄道マニアファンやマンション・建物好き、廃墟マニアの方々のよう。筆者もマンションと鉄道好き。これは参加したかった……。一方で、建物の様子だけでなく、冷静に見つめている人も。

「これ行ってきたけど、需要予測と願望の区別は冷静につけないと半世紀近くも引きずることになると、強く思いました。やりたかったこと、夢見たことは判るんだけど」

【画像4】時代を感じさせる改札口。なんだか撮影セットのよう(写真撮影/小川裕夫)

【画像4】時代を感じさせる改札口。なんだか撮影セットのよう(写真撮影/小川裕夫)

【画像5】今回の公開は、姫路市営モノレールの大将軍駅のみ。2〜3階の駅舎部分以外は公開されていなかったそう(写真撮影/小川裕夫)

【画像5】今回の公開は、姫路市営モノレールの大将軍駅のみ。2〜3階の駅舎部分以外は公開されていなかったそう(写真撮影/小川裕夫)

【画像6】建物の解体作業はこれから本格化。「大将軍」駅を見る最初で最後の機会となった(写真撮影/小川裕夫)

【画像6】建物の解体作業はこれから本格化。「大将軍」駅を見る最初で最後の機会となった(写真撮影/小川裕夫)

さまざまな思いが交錯した「大将軍駅」のイベント。せめて写真を眺め、「夢の跡」のロマンにひたってみてはいかがだろうか。

●画像提供
・小川裕夫さん(@ogawahiro)●参考
・姫路モノレール「大将軍駅」一般公開まとめ