横浜、川崎などの有名駅に隠れ、地元民以外にはあまり知られていない「神奈川駅」。仮にも県名を冠しているのに、聞くところによるとかなり「しょぼい」らしいという噂がある。その真偽を確かめるため、実際に現地に向かい、神奈川県横浜市神奈川区にある、神奈川尽くしの神奈川駅の様子を探った。



そこには噂通りの...

神奈川駅は横浜駅の隣に位置しており、京急本線を使えば所要時間はわずか1分。徒歩でも10分程度しかかからない距離だ。

駅に到着し外から観察すると、噂通りに駅舎は非常に控えめな佇まいだった。お隣の横浜駅や川崎駅と言った巨大駅と、いや、それ以外の駅と比べてもかなり小ぶりだ。

確かに、とても県名を冠している駅とは思えないひっそり具合だった。







駅の近くには飲食店がいくつかあるが、平日の昼過ぎという時間帯もあってか、喧噪とは無縁の穏やかな雰囲気だ。帰宅途中のお父さんたちが軽く一杯飲んでいく様子が目に浮かんだ。

大規模な商業施設は無く、目立つ建物と言えば様々な予備校のビルのため、駅の利用者は学生と地元民が主だろう。ただ、各駅停車しか停まらない駅のため、アクセスの良い横浜駅と徒歩で行き来するという人も多そうだ。

また、駅の近くには「宮前商店街」という通りがあるのだが、店舗数が少ないため、商店街というよりもほとんどが住宅地のような状態になっている。こちらも非常に閑散としており、人通りは皆無だった。





しょぼいだけではない、深い歴史

しかし、歴史という面では他の駅に引けを取らない。駅の横にあった案内板によると、神奈川駅の名前の由来は東海道の宿場だった「神奈川宿」にあるという。1905年の開業以降、名称の変更や廃止などを挟みながらとはいえ、実に100年以上使われている駅なのだ。

和風で歴史を感じさせるデザインなのも、そういった歴史が反映されているためで、1991年には関東の駅100選にも選ばれている。県名を冠しているのは伊達ではないのだ。

駅の近くにかかる青木橋からは、京急本線、横浜線、東海道本線を一望できる。鉄道好きには嬉しいスポットではないだろうか。



また、宮前商店街にある「洲崎神社」も隠れた名スポットだ。

商店街の途中、木々に囲まれて静かにたたずむ洲崎神社は、周囲の静けさも相まって雰囲気は抜群。新たに建てられたと思しき白い鳥居をくぐると、歴史を感じさせる風景が顔をのぞかせる。

洲崎神社は、1191年に源頼朝により建立された歴史を持り、お決まりの狛犬以外にも、ごつごつした岩の上に立っている躍動感のある像もあるなど、見どころが多い場所だ。木陰で涼を取れるという意味でもありがたい場所である。











また、宮前商店街は常に閑散としているわけではない。毎年6月の第2金曜から日曜にかけて行われる「ちょうちん祭り」の間は、道の両側に出店がひしめき合い、通りが人で溢れるほどの賑わいがあるという。


ちょうちん祭りの様子(画像は横浜市のホームページから)

散策を通して、神奈川駅の規模は確かに小さいが、豊かな歴史的背景を持つ地域であることが分かった。次はちょうちん祭りが行われているときに訪れたい。