リオ五輪後、一時体調を崩した影響もあり、コンディションは「オリンピックの時ほどは戻っていない」という。A代表での刺激をカンフル剤に状態を上げていきたい。写真:徳原隆元

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 戦いの舞台が五輪からワールドカップ予選に変わっても、大島僚太は変わらない。
 
 あまり多くを語ろうとしない、控え目な性格。すでにA代表の身でありながら、「自分が試合に出るイメージは膨らんでいるか?」との問いかけにも、遠慮がちに明確な意志を示さない。
 
 ロシア・ワールドカップ・アジア最終予選に挑む日本代表のトレーニング2日目、ボールを使ったメニューでは、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督から直接指導を受ける場面もあった。
 
「声を出す、っていうところを言われました」
 
 ここまでを見る限り、練習前のランニングでは、隣の誰かと親しく話すような素振りは見せない。視線を少し落としながら、黙々と走り続けている。ミックスゾーンでの声量も一際、小さい。
 
 それだけに、「声を出す」ことは不得手と思われても仕方ないかもしれない。そんな趣旨の質問に対しては、しかし小柄なテクニシャンはこう答える。
 
「声を出すのも、いろいろあると思います」
「試合中だったり、練習に必要な声は、出さないといけない」
 
 人にはそれぞれのキャラクターがある。ムードメーカータイプの選手もいれば、背中で語る選手もいる。
 
 周りに流されず、自分のスタンスを貫く――大島には、簡単にはブレない芯の強さがある。多少、考え過ぎて、行動に移せなかったことも過去にはあったが、すべてはチームのため、仲間のためを思ってのことだ。
 
 静かなる男の胸の内には、熱い想いが秘められている。それをどんな形で表現するかは、大島のやりたいようにやればいい。実力については、ハリルホジッチ監督も「かなりのクオリティがある」と認め、そのポテンシャルに大きな期待を寄せている。
 
「(香川)真司への供給源としては、非常に興味深い」
 
 ピッチに立つチャンスが訪れたら、そのプレーで“饒舌”に語ってほしい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)