PBRが低い万年割安株には収益性が低くROEが低水準の銘柄が多い。しかし、そのROEが改善傾向なら、株価が今後、底値から脱出できる可能性が高いので注目だ。

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低PBRの株はどれも割安と思ってはいけない。PBR1倍割れの低PBRの株には収益性の低い株が多く、いつまで経っても安値で放置されることになるからだ。しかし、低PBR株も収益性が改善される時には株価が上昇し始める。そんな銘柄を発掘するためには「ROE(株主資本利益率)」の伸びと「株主資本比率」に注目すべきだ!

底値からの脱出の原動力は稼ぐ力にあり!
ROEが少しずつ改善している株を探せ

 PBR1倍割れに株価が放置され続けている“万年割安株”には、株主から集めた資金をいかに効率よく使って利益を稼ぎ出したかを見るROE(株主資本利益率)が低い銘柄が多い。つまり、収益性が低いために、評価されずに株価が底ばいを続けているのだ。

 しかし、そんな低PBR株の中にも、事業に追い風が吹いたり、構造改革などによって収益性が向上し、ROEが改善傾向にある銘柄がある。そうした低PBR株においては、今後いよいよ株価が底値から脱出できる可能性が高まっている。

 「すでにROEが高い銘柄を買っても、株価は資本効率の良さを織り込んでおり、株価が上昇しにくいケースも多く、水準が低くても改善率が高いほど株価が上昇する傾向があります。また、ROEも業種によって異なる平均を上回ることが評価されるポイントになります」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾さん)

 特に、PERやPBRの水準よりもROEを重視する外国人投資家の比率が増えた今、ROEへの注目度が上がっている。つまり、ROEの改善率に着目すれば、低PBR株の中から株価が上がる銘柄を見つけることができるのだ。逆に、ROEが低いままの銘柄は、株価が底値から脱出できず安値で放置される可能性が高いので注意しよう。

株主資本比率などで財務が安全かもチェックし
低位からいよいよ脱出するROEの伸びに注目!

 ただし、いくらROEが高くても、株主資本比率が低すぎる銘柄には注意が必要だ。

 ROEは、利益を株主資本で割って算出するため、分母の株主資本が小さいほど収益性が一見よく見える。しかし、株主資本比率が低いということは、企業の体力や財務の健全性が低いということ。

 一般的に株主資本比率が20%以下だと財務が脆弱と言われているので要注意。

 つまり、株主資本比率を維持した上でのROEの向上かどうかもチェックする必要があるのだ。

 自動車や産業用機械の部品を製造するアーレスティ(5852)は、ROEが15年3月期1.9%→16年3月期は4.9%と改善。さらに今期の第1四半期で通期予想を上方修正し、今期の予想ROEは6.1%に改善する見込みだ。PBRはまだ0.30倍と割安で、株価は調整を入れながらじわじわと底値を切り上げている。

 そして、もう1銘柄。染色加工を手がけるサカイオーベックス(3408)も、ROEが3期連続で改善している会社。PBRは0.69倍と1倍を大きく割り込むが、業績は増収増益が継続。配当利回りも2%以上ある点に注目だ。

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