中段左から、田中千絵、ファン・イーチェン、宮本亜門氏、ウェイ・ダーション監督

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(台北 29日 中央社)台湾で2008年に公開され、台湾映画史上歴代1位の興行収入を記録した映画「海角七号 君想う、国境の南」が、宮本亜門氏の演出で初めてミュージカル化され、来年5月に南部・高雄で上演される。記者会見が29日、台北市内で行われ、宮本氏は「日本人、台湾人の人種を超えて世界の人に伝えていきたい」と期待を示した。

同作は60年前のラブレターによって過去と現在の台湾と日本の恋物語がつながれていくラブストーリー。メガホンを取ったウェイ・ダーション(魏徳聖)監督は、ミュージカルではエグゼクティブプロデューサーを務める。主要キャストも再集結。ファン・イーチェン(范逸臣)が主演の阿嘉(アガ)を、田中千絵がヒロインの友子を演じる。

ミュージカル化は宮本氏の提案によって決定した。過去に旅行で来て、台湾が大好きになったと話す宮本氏。同作を観たのは「『海角七号』を見ないで台湾好きとは言えない」と友人に言われたのがきっかけで、作品を見てみると感動を覚え、ミュージカルにしたいと思ったという。そこで昨年冬、来日していたウェイ監督と面会。提案をしてみると、すぐに「いいよ」との返事をもらった。あまりの即答に宮本氏は「なんて無責任な人なんだ」と思ったと笑う。それに対し、ウェイ監督は、面会前に宮本氏のアイデアと知名度の高さを聞いており、最初から承諾するつもりだったと裏話を明かした。

宮本氏は2008年に人気歌手アーメイ(張恵妹)主演で東京で上演された祝祭音楽劇「トゥーランドット」の演出を手掛けた経験もある。その際、歌や演技面のレベルの高さを目の当たりにし、「芝居とは違うミュージカルの魅力をもっと台湾の人に伝えたいと思った」と台湾でのミュージカル普及に意欲を見せた。

劇中に使用される曲の数は「(映画の)倍くらいになる」といい、オリジナル曲のほか、民族的な音楽なども加える予定。ミュージシャンでもあるイーチェンにも作曲を頼みたいとラブコールを送った。

日本での上演予定について宮本氏は「興味を示しているところはあるので、最終段階の交渉中」だとし、台湾と日本双方の劇場のスケジュールを調整している最中だと明らかにした。

ミュージカルは来年5月4〜7日に高雄市内で上演される。

(名切千絵)