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日常生活の中でふと旅に出たくなることがある。今年の夏も半ばを過ぎる時分に、バカンス休暇を取りそびれたという人ならなおさらそういう気持ちかもしれない。そんな人におすすめなのが、「ふらりと旅に出たくなる」大人旅エッセイ本『世界一周飲み歩き』だ。

(写真上)ペルーのナスカの地上絵が見られる展望台。

著者は、veritaで過去に連載していたコンテンツ“和ペリティーヴォ”でお馴染みのイシコさんだ。イシコさんは、2008年より1都市1週間のペースで旅をするプロジェクト「セカイサンポ」を始め世界一周を達成。帰国後に発行された『世界一周ひとりメシ』は、2万5千部を突破(2016年7月時点)。イシコさんならではの肩に力の抜けたゆるくて居心地の良い時間を提供してくれる本書は、言うまでもなく和ペリティーヴォファンの方、必読の一冊である。

(写真)左:モーラミャイン(ミャンマー)の屋台。タルンウィン川を眺めながら飲むミャンマービールの生ビール(「世界一周飲み歩き」に収録)。 右:イポー(マレーシア)の食堂。おばちゃんの笑顔にひかれ、毎日、通ったぶっかけ飯。(「世界一周ひとりメシ」に収録)。

本書は、アジア編、ヨーロッパ編、南米・アフリカ編の3部構成で、犬ぞりで向かう雪原の店(スウェーデン)、地元のおじさんとビールを片手に見た夕日(タイ)、朝から立ち飲み屋をはしご(スペイン)、デモから逃げ込んだバーには……(アルゼンチン)など、イシコさん目線の世界中の街角の風景が24のエッセイの中に切り取られている。

一つ一つのエピソードは短くて、さっと読めるが、なぜか読み始めると次へ次へと読み進めたくなるような、ふと気がつけば、おかしなイシコ中毒にかかってしまう。恐るべしイシコワールド。軽快な語り口調の中に垣間見える鋭い視線と笑い、ロマンとリアリティ…。くすっと笑ってしまうような摩訶不思議なシーンが繰り広げられては泡のように消えていく。これが、なぜか疲れた心を癒す効果も抜群なのだ。なかなか旅に行くことができない人にも、これから旅に行く予定の人にもぜひ手に取ってもらいたい一冊だ。

世界一周飲み歩き』 イシコ著/朝日文庫/620円+税

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