【素朴なギモン】なぜカセットテープはまだ作られているのか?

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70年代〜90年代に青春を過ごした人なら、カセットテープは思い出と切っても切れない存在ではないでしょうか。好きなアニメのテーマソングを録音するためテレビの前で緊張しながら待ったり、好きなコにお気に入りの編集テープをあげたことがあるのは1人や2人ではないはず。個人用音楽メディアといえば、カセットテープほぼ一択でしたよね。

そんな時代も今は昔。音楽メディアはいつのまにかCDやMDなどデジタルに変わり、そして今やダウンロードしてパソコンで保存するのが常となりました。

しかし実は、カセットテープはまだ作られているのです。ということで、日本でただ1社、まだカセットテープを作り続けているメーカー・日立マクセル株式会社に突撃してみました!

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カセットテープの思わぬ利点とは?

現在のカセットテープのラインナップは「UR」(10分/20分/30分/46分/60分/90分)と「UL」(10分/60分/90分)の2種類。けっこう種類があることに驚きますが、いったい誰が、どんな用途で使っているのでしょうか?

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「シニア層がカラオケの練習用に使われることが多いようですね」(日立マクセル事業企画)

なるほど〜。10分テープの片面は5分で、1曲を繰り返し聞く練習用にちょうどいい長さですね。操作的にも慣れ親しんだカセットテープが一番というわけですね。

また、カセットテープは「音が太い」などの意見もネットで見かけますし、音質へのこだわりで使っている人もいるようです。ほかにも理由があるのでしょうか?

「若いアーティストがカセットテープで新譜を出すケースもあるようです。決まった順番で曲を聴いてほしいという理由や、アナログならではの温かみに魅せられて使ってくださるようです」(事業企画)

そういえば、海外でもカセットテープで新曲をリリースする海外アーティストが増えていますね! CDだとパソコンに取り込んだ後は、パッケージはしまい込んでしまいがちですが、カセットテープはコピーしにくく、毎回パッケージを取り出すことになります。曲だけでなくパッケージアートも含めた作品全体の世界観を丸ごと感じて欲しいという思いが込められているのかもしれません。聴くたびにケースから出して再生ボタンを押して…というひと手間も、今では贅沢な時間の使い方なのかも?

それに、カセットテープはアナログ機械らしい見た目のかわいさもポイントが高い!巷でもカセットテープモチーフのTシャツやアクセサリーもよく見かけますね。

 

ピーク時は国内販売5億本!

さて、そのカセットテープを1966年に国内で初めて発売したのがマクセル。当時のカセットテープはロゴがレトロでかわいいですね!

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1970年代に入ると、より高品質なハイポジションテープが誕生するなど、技術的な進化を遂げていきます。また、1979年にソニーが「ウォークマン」を発表したことで「音楽を気軽に外で聴く」という革命的な進化が訪れ、それに伴いカセットテープの需要は飛躍的に伸びていきます。

「発売後、売上は1970年代後半から1980年代にかけて急増し、1989年がピークです」(事業企画)

プリンセス・プリンセスやWink、爆風スランプ、米米CLUBがランキングに上っていた頃ですね! 懐かしい〜! また、マクセルでは当時のテレビCMにワム!など世界的に人気のアーティストを起用しており、巨大市場だったことが伺えます。

「当時は国内だけで年間5億本以上を販売していました。その後はさすがに売上は落ちていきましたが、実はここ数年は大きく落ちておらず、横ばいで売れ続けています」(事業企画)

このように根強い人気を誇るカセットテープ、今後も「お客さまの要望がある限り、作り続けます」(事業企画)ということなので、愛好家のみなさんはご安心ください!

また、「思い出のカセットテープをもう一度聴きたい…」という方は、ティアックの「CDレコーダー・カセットデッキ AD-RW950」をはじめ、多数のメーカーからラジカセなどが現役で発売中です!

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日立マクセル >> http://www.maxell.jp/

 

 

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(取材・文/明知真理子)

あけちまりこ/ライター

編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。雑誌・ウェブ等で幅広く活躍し、寝る間もないほど売れっ子(になりたいと思っている)。趣味で株式投資をしており、日経平均が下がると表情がやや曇ります。映画と旅行とプロレスが好き。