話は反れるが、長身選手にも大成しにくい宿命を抱える。特に日本の場合、平均身長は171センチ。W杯出場国の中では一番の低身長国だ。身長190センチは、平均身長184センチのオランダ人では2m超に相当する。FC東京の平山(191センチ)が登場した時、将来、大成するか否かで議論になったが、現在の姿がその答えになる。
 
 スピードも身長も絶対的な武器にならないのがサッカーだ。絶対的に有利なのはジャンプ力ぐらいだ。それ以上に不可欠なのは技術。視野の広さ、ボディバランスを含めたボール操作術になる。ボールを奪う力、あるいは、闘争心といった精神的な面も必要な要素になるが、基本は技術。それに優れていれば、その他のハンディをかなり克服することができる。それこそが、サッカーが世界の津々浦々で愛される理由だ。基本的には誰にでもできる。低身長国の日本で、ここまで普及発展した理由でもある。同じ体型の外国人選手が活躍する姿に、勇気づけられる選手は少なくない。

 168センチ、64キロ。足も特別速そうには見えない。だが、技術はピカイチ。パスセンスも高ければ、視野も広い。ボディバランスにも優れている。ハリルホジッチに言わせれば、ボールを奪う力も増しているとのことだが、大島はまさに日本人的な選手だ。技術的なミスを犯しそうもないタイプと言えば、遠藤保仁を想起するが、大島はその流れを汲む選手になる。中でも光るのは密集地帯でのボール操作。技術の高さを思わせる瞬間だ。 
 
 川崎でプレイする姿を何年か前に見た時、近い将来の代表入りを予感させたものだが、実際に、代表でプレイした時どんな感じになるのか、見てみたい選手だ。
 
 浅野と大島。5年後、生き残っているのはどっち。しっかり残っていてもらわないと、日本はますます危うくなるのである。