2016年8月29日16時現在の台風10号
出典:気象庁ホームページ(気象衛星画像)

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 台風や豪雨が増えている昨今、各地では浸水などの被害が多く報告されている。これらに備えて、今からできる対策としてはどんなことがあるのだろうか。

 台風や豪雨の前にまず確認したいのが、自分の家が、洪水や浸水の被害を受ける可能性がどの程度あるのかということ。その可能性について、国土交通省はウェブページで「洪水ハザードマップ」を公開している。各自治体でも公開しており、そちらには避難場所も記載しているので、あわせて確認しておこう。

 自分の地域の情報が確認ができたら、今度は家でできる備えをしておきたい。まずチェックしたいのが、家の壁や屋根、窓の状況だ。傷んでいる場所はないか、改めて確認しておこう。特に窓は、暴風で物が飛んできたときのことを考えて、特に傷みがなくとも補強しておきたい。たとえば、「ガラス飛散防止フィルム」を貼ると、簡単に補強することが可能だ。透明のフィルムを貼れば、ガラスが割れた際にバラバラに飛び散ることを防ぐことができる。台風だけでなく、地震対策としても有効なので、この機会に備えておいてもいいかもしれない。

 壁や屋根の補修は大変そうだが、今は貼るだけで水漏れを防ぐことができる「補修テープ」もある。これらを活用して、家の安全性を高めておきたい。

 家が洪水の危険域にある場合は、事前に土のうを用意して、玄関をはじめ、水が入ってきそうな場所に備えておくのも手だ。一般家庭で土のうを準備するのはハードルが高いと思われるが、水を使って簡単に作れる「簡易土のう」がある。一見すると、何も入っていない土のう袋なのだが、これを10分程度水につけると、大きく膨らむ。とはいえ、土のうが必要になるころには避難勧告が出ているケースも多いはず。家を守ることも大切だが、避難の際に邪魔にならないように気を付けて使用したい。

 また、避難する際のことを考えて、持ち出すものをまとめた「防災バッグ」も作っておきたい。非常用食料や水、簡易トイレなど必要なものは多岐にわたるが、今はそれらを一通り詰めたセットも販売しているので、活用したいところだ。

 家族で避難する際に気を付けたいのは、子どもや高齢者の安全だ。身長の低い子どもや脚が弱っているお年寄りは、水に足を取られる可能性も高い。そんなお年寄りや子どもたちに持たせておきたいのが「水に浮くリュック」だ。子ども用と大人用があり、装着した状態で子ども用は60キロ、大人用は80キロまでの重量(本体を含む)を水に浮かせることができる。家族での避難の際には、手元にあると安心できそうだ。

 避難先では携帯電話やスマートフォンが役立ちそうだが、そればかりに頼るのも不安だ。豪雨の際は水没させる可能性も高いし、そうなってしまうと充電器などを備えておいてももはや役に立たない。情報収集のためにはできれば手巻き充電式のラジオがあった方がいいだろう。 また、携帯やスマホがダメになってしまったときのために、10円玉をたくさん準備しておくことも重要だ。避難先の公民館などには公衆電話があることが多い。使いたいのに紙幣しかない……なんてことにならないように、多めに硬貨を準備しておきたい。

 いざ避難するとなった際には、家を出る前にチェックしておきたい点もある。浸水に備えて戸締りをしっかりしておくのはもちろんのこと、ガスの元栓を閉めて、電気のブレーカーを落としておくことも必要だ。また、避難で持ち出せない貴重品は高い位置に置くようにし、畳もできれば、台の上など高い場所に移動させておきたい。浸水して水が染みた畳は使えなくなってしまうばかりでなく、処分する際にもかなり手間を要するからだ。

 近年の震災や豪雨被害を受けて、災害への意識は以前より高まっているように思えるが、それでも実際に起こると、慌ててしまうことが多いだろう。事前に十分に備えておけば、いざという時にも落ち着いて行動することができるかもしれない。(文・横田 泉)