昨年の春夏の甲子園を沸かせた高卒ドラ1たちの現在

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 今年の夏の甲子園は、作新学院が北海を下し、54年ぶりの優勝で幕を閉じた。優勝投手の今井達也をはじめ、多くの好素材が話題となり、今秋のドラフトでは多数の指名が予想される。

 そこで気になるのが、昨年の春夏の甲子園で活躍し、「ドラ1」で入団した高卒ルーキーたちだ。

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■夏の優勝投手は、援護なく未勝利

 昨夏、東海大相模の左の本格派エースとして全国制覇を果たし、中日から1位指名(2球団競合)を受けた小笠原慎之介。

 5月24日に1軍登録されて以降、先発として7試合、リリーフとして3試合の合計10試合に登板するも、0勝5敗と、いまだ勝ち星に恵まれていない(8月24日終了時点)。

 小笠原は、先発したときはそれなりにゲームは作っているのだが、チーム状態が芳しくないだけに、ルーキーを打線がフォローできていないのが実情だ。

 8月20日のDeNA戦でも、初回に筒香嘉智に2ランを浴びるも、その後は立ち直って好投。しかし、1対2で敗戦投手となってしまった。それでも、自身最長となる7回を投げて2失点と、投球内容は進境を見せている。投打が噛み合えば、初勝利も近そうだ。

■初安打は難産だった準優勝校の主軸

 昨夏、小笠原の東海大相模と決勝を戦い準優勝だったのが仙台育英。そこで「3番・ショート」として活躍し、ロッテに1位指名(2球団競合)で入団したのが平沢大河だ。

 1軍初登録は5月11日。そこから6試合に出場するも、10打席無安打6三振とプロの厳しい洗礼を浴び、無念の2軍落ち。7月30日に再登録さてからも苦難のバッターボックスが続いていたが、8月17日の楽天戦で、デビューから24打席目にしてようやくセンター前に初ヒットを放った。

 それで吹っ切れたか、8月23日まで6試合連続安打をマークし、打点も20日、21日、23日と3試合連続で記録。プロの水に慣れつつある。

 定評のあった内野守備でも、雑な悪送球などで2失策がついているものの、随所に軽快なグラブさばきを見せている。

■甲子園のスピードスターはプロでも駆け回る

 関東一の主力メンバーとして活躍したオコエ瑠偉(DeNA)。昨夏は準決勝で東海大相模に敗れたが、俊足強打の外野手として大いに甲子園を盛り上げた。

 プロでは、球団初となる高卒ルーキーの開幕1軍を果たし、代走や守備固めで起用されていたが、平沢と同様に、打撃では苦労。記念すべき1本目のヒットは、一旦2軍落ちを経験し、再度1軍に昇格してからの2試合目、5月31日の阪神戦。榎田大樹から放った鮮やかな流し打ちでのライト前ヒットだった。

 その後、チーム事情もあって8月4日に再度の2軍行きとなったが、現時点で、1軍で51試合に出場は、高卒ルーキーとしては上々。守備、走塁は計算ができるので、あとは打力の向上が課題か。

■じっくり調整される近未来のエース候補

 ソフトバンクから1位指名(3球団競合)を受けたのが、昨春のセンバツでベスト8まで進出した県岐阜商でエースだった高橋純平だ。

 まだ1軍登板はないが、ファームで「中10日&80球の球数制限」を設け、成長を促しつつじっくり調整中。7月14日に行われたフレッシュオールスターゲームでは、1イニングを投げ最速154キロを計測。オコエを三振に切って取った。その潜在能力から、近い将来のエース候補であることは間違いない。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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