新型NSXの2370万円はスペックから考えると安いのか?

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3モーターの新システムは独自の世界を作り出した

8月25日に日本で正式発表となり、話題の新型NSX。

新開発された3.5リッターV型6気筒ツインターボをミッドシップに搭載、フロント左右独立モーターとリヤの薄型モーターという3つの駆動モーターを合わせると、システム最高大出力が581PS、最大トルクが646N・mというとてつもなくスペックのパワートレインとなっている。

同じ4WDスポーツというカテゴリーで比べると、日産GT-R NISMOの3.8リッターV型6気筒ツインターボは600PS、652N・mというスペックで1870万200円。ハイブリッドの有無という違いはあるとはいえ、GT-R NISMOの価格を見ていると、NSXの2370万円というのは割高に感じるかもしれない。

とはいえ、GT-Rは国産車なのに対して、NSXはアメリカで生産されている輸入車。そこで似たようなスペックの4WDスポーツカーを探してみると、ポルシェ911ターボSが挙げられる。911ターボSがリヤに積む3.8リッター水平対向6気筒ターボの最高出力は580PSで、最大トルクは700N・m(オーバーブースト時750N・m)。日本における正規モデルの価格は2599万円。こうして見ると、NSXは割安に感じてくるかもしれない。

しかし、ハイブリッドを環境性能だけでなく、パフォーマンスにも利用しているという点でNSXをコンベンショナルなエンジンのスポーツカーと比べるというのは的確とは言いがたい。

たとえば、ポルシェであればハイブリッドスポーツカー「918スパイダー」と比べるべきといえる。

すでに限定生産台数に達したという918スパイダーだが、その価格は76万8026ユーロ(日本円の設定はない!?)だった。現在のレートで、ざっと為替換算して8700万円、デビュー当時は1億円といわれたクルマだったのだ。

その918スパイダーにしてもプラグイン(外部充電)が可能という点ではNSXとは異なり、またシステム最高出力も900馬力に迫るという異次元のスーパースポーツだが、駆動力を利用したハンドリングというNSXの創りだした世界には達していない。

なにより、フロントの左右独立モーターによりハンドリング性能を磨くというNSXが持つ唯一無二の要素を考えれば、最高出力や最高速といったパフォーマンスとプライスゾーンの関係からライバル関係を論じるのはナンセンスといえるのではないだろうか。

(文:山本晋也)