■WEEKLY TOUR REPORT 米ツアー・トピックス

 今季からPGAツアーに参戦した岩田寛(35歳)は、レギュラーシーズン最終戦となるウィンダム選手権(8月18日〜21日/ノースカロライナ州、セッジフィールドCC)で予選落ち。最後まで苦しい戦いを強いられた。

 初日をイーブンパー、75位タイで終えた岩田は、2日目も出だしの10番からボギーと悪い流れだった。それでも、後半に入ってから持ち直して、5番パー5では2日連続のイーグル。通算2アンダーまで伸ばして予選通過も見えたが、7番パー3で痛恨のダブルボギー。これが響いてこの日もイーブンパーに終わり、カットラインに3打及ばず、決勝ラウンドには進出できなかった。

 昨年10月の開幕戦から挑んだ米ツアー1年目、岩田は29試合に出場し、予選通過は14試合。最高位は2月のAT&Tペブルビーチ・プロアマでの4位で、トップ25入りは3回にとどまった。フェデックスカップ・ランキングは、339ポイントで146位。この結果、125位までが出場できるプレーオフ初戦、バークレイズ(8月25日〜28日/ニューヨーク州)には駒を進めることができなかった。

 この1年、苦しい日々を送ってきた岩田。シーズンを振り返ると、苦渋に満ちた表情を浮かべてこう吐露した。

「思ったショットが打てず、自分のゴルフにがっかりしている。ショットもそうだけど、最近はパットも入らない」

 結果が出ない間は、気持ちが切れてしまうこともあったかもしれない。それでも、自分なりに試行錯誤を繰り返して、岩田は懸命に戦ってきた。その分、口をつくのは苦悩の言葉ばかりだった。

「気持ちをいくら切り替えてやっても、また同じようになる。もう、どうしていいかわからない......」

 さて、フェデックスカップ・ランキング146位に終わった岩田。来季については、どんな道を選択するのだろうか。

 現状、ランキング126位〜150位の選手ということで、PGAツアーには来季も何試合かは出場可能だ。メジャー大会をはじめ、アーノルド・パーマー招待やメモリアル・トーナメントなどの招待試合を除けば、通常の試合ではランキング上位選手が欠場すれば、そのカテゴリーの選手に出場権が回ってくる。例年の状況から推定すると、岩田は4位に入ったAT&Tペブルビーチ・プロアマを含め、10試合ぐらいは出場できるだろう。

 より多くの出場権を得るには、126位〜200位までの選手が出場できる、9月開催のウェブ・ドット・コムツアーのファイナルズ4戦を勝ち抜くことだ。この戦いには、PGAツアーから75名、下部ツアーのウェブ・ドット・コムツアーから75名が出場。4試合を戦って上位50人の中に入れば、来季PGAツアーのシード権を得られる(※ただし、ウェブ・ドット・コムツアー上位25人は、すでにPGAツアーの来季シード権が確定済み)。

 同カテゴリーは、フェデックスカップ・ランキング126位〜150位よりも試合出場の優先順位は上。来季もPGAツアーを主戦場として考えるならば、ファイナルズに参戦して出場資格の順位を上げたいところだ。

 昨年、岩田はこのファイナルズから今季の出場権を得ているが、今年もこのファイナルズに参戦するのか。その意向を問うと、岩田は「はい」ときっぱりと答えた。つまり、来季もPGAツアーでプレーすることを目指す、という気持ちは固まっている。

 岩田にとって、今季はほぼ初めて挑むコースばかりだった。そのうえ、アメリカに拠点を置くことなく、試合会場から試合会場へ毎週転戦を続けてきた。その間、食事は自炊することが多かったという。キャディーとマネジャー、そしてギアを提供するスタッフが同行し、日々岩田をサポートしてきたとはいえ、拠点のない生活は苦労が多かったに違いない。

 そうした状況では、気持ちや体をリフレッシュすることは難しく、岩田は見た目にも疲れがたまっているように見えた。それでは、結果を出すこともままならない。が、「僕と同じ条件の選手でも、きちんと成績を挙げている人がいますから」と、岩田は言い訳をしない。慣れないアメリカでの生活や移動の大変さを聞いても、「いや、特にないです」と言うだけだった。

 現在の岩田には、ふたつの目標がある。ひとつは、ファイナルズに参戦して来季のツアー出場資格を上位に上げること。もうひとつは、日本ツアー5試合に参戦して、ツアーメンバーとしての資格を維持することだ。

 そのため、ウィンダム選手権を終えると、岩田はすぐさま日本へ帰国。8月25日に開幕したRIZAP KBCオーガスタ(8月25日〜28日/福岡県)に出場した(予選落ち)。その後、翌週のフジサンケイクラシック(9月1日〜4日/山梨県)にも参戦し、それが終わると再び渡米。ファイナルズの初戦、DAP選手権(9月8日〜11日/オハイオ州)に挑む。

 以降は、また日本に戻って、出場義務試合となる計5戦の日本ツアー出場を目指す。おかげで年内は日米の往復が続くが、岩田は「仕方がないです。それがルールなんで......」と、ふたつのメンバーシップ確保へ、ハードスケジュールをこなす覚悟はできているようだ。

「(今の自分は)シードのことを考えるような調子じゃない。あまりにもよくないから、ずっとその(自らの調子の)ことしか頭にないです」

 悩める岩田だが、爆発力は秘めている。何かをきっかけにして、岩田のゴルフが好転することを祈りつつ、来季もPGAツアーで元気な姿が見られることを期待したい。

text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN