Q:最近、糖尿病網膜症初期と言われました。食事療法も運動療法も真面目に実行しなかったためか、血糖値が高いままでした。これから改めて努力しようと思います。ただ、普通の食事療法は面倒臭く、する気になりません。何かよい方法はないでしょうか。
(58歳・自営業)

 A:網膜には、無数の細かい血管が張り巡らされています。血糖値が高い状態が続くと、網膜の細い血管は少しずつ障害を受け、変形したり詰まったりします。
 血管が詰まると、網膜の隅々に酸素が行き渡らなくなり、網膜が酸素不足になります。そのため、新生血管を作って酸素不足を補おうとしますが、新生血管はもろいため簡単に出血をします。
 出血をすると、また網膜にかさぶたのような膜が張ってきて、これが原因で網膜剥離を起こすことがあります。
 治療は、初期であればレーザーでうまくいくことがありますが、対症療法ですから、治癒を望むことは非常に難しいといえます。
 糖尿病網膜症の予防はもちろん、悪化防止、改善のためには、血糖値をよい状態にコントロールするのが基本です。

●徹底して血流をよくする
 しかし、それだけでは改善や再発予防は十分ではありません。徹底して、血流をよくする必要があります。全身の血流をよくするような生活習慣を実践することによって、眼底をはじめ、目の血流が促進されます。糖尿病網膜症は改善できるし、再発も予防できます。生活改善のポイントは次のとおりです。
・食事は玄米菜食が基本。朝食を抜き、1日2食の少食。肉や甘いものは、できるだけ避ける。水をしっかり飲む。
・1日に1万3000歩以上歩く。
・十分に睡眠をとる。
・ストレスを溜め込まない。
 少食にして、便秘にならないようにすることも大事です。
 以上の方法を徹底して行うと、きれいな血液が順調に巡るようになり、血糖値は下がってきます。実際、この生活改善療法に真面目に取り組み、HbA1cが劇的に下がり、網膜症が改善した人は少なくありません。是非、実践してみてください。

山口康三氏(回生眼科院長)
自治医科大学卒業。眼科医、漢方内科医。食事、運動、睡眠などを改善する生活改善療法を指導し、眼科の病気や生活習慣病の治療に成果を挙げている。日本綜合医学会理事長。