1895年から1945年まで日本の統治を受けた台湾には、日本が建設した遺構が点在している。統治終了からすでに70年が経過し、老朽化が進んでいることもあり、取り壊される運命にあるものも少なくないようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 1895年から1945年まで日本の統治を受けた台湾には、日本が建設した遺構が点在している。統治終了からすでに70年が経過し、老朽化が進んでいることもあり、取り壊される運命にあるものも少なくないようだ。

 台湾メディア・聯合新聞網は25日、屏東県屏東市蘭州街にある日本統治時代の飛行場宿舎61棟について、取り壊しの指示が当局から出されたことを知った地元の文化人らが抗議の署名を集めて同県政府に提出したと報じた。

 記事は、取り壊しの指示が出されたのが、同県に設置された台湾初の飛行場に付帯して建設されたという61棟の日本式宿舎であると紹介。同県において重要な歴史遺産であるにも関わらず、当局から歴史的建築物に指定されていないために、台湾政府・国防部が取り壊しの対象とし、同県政府に指示を出したと伝えた。

 そして、この情報をしった地元の文化人らが直ちにネット上で署名活動を展開、数日間で29の文化団体、300人余りによる署名が集まったとした。県会議員を含む文化人らは、取り壊しを保留するとともに、人文調査をしっかり行い、行政と市民が協力して宿舎の保存や活性化を推進することを呼びかけた。

 記事は、抗議を受けた同県文化処の担当者が「すでに取り壊しを延期することを決めるとともに、国防部に対し法規に基づき築50年以上の建物に対して文化的価値に関する認定作業を行うよう求めた」と語ったことを併せて伝えている。

 これらの宿舎群はすでに居住用としては利用されていなかったようで、建物の周囲には雑草が生い茂っている状況だ。すべてを残すのか一部を残すのか、手入れをするのかなどの議論はあるだろうが、台湾の歴史を物語る文化財として長く保存されることを願いたい。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)