日本経済がバブルに沸いていたころ、日本企業は積極的に海外の資産や企業を買収した。しかし、バブル崩壊によって景気が急激に悪化したことで、買収した資産を安く手放さざるを得なくなった企業は少なくなかった。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本経済がバブルに沸いていたころ、日本企業は積極的に海外の資産や企業を買収した。しかし、バブル崩壊によって景気が急激に悪化したことで、買収した資産を安く手放さざるを得なくなった企業は少なくなかった。

 近年、中国企業も国外で積極的に企業買収を行っているが、果たして日本の二ノ舞となる可能性はあるのだろうか。中国メディアの捜狐はこのほど、日本がこれまでに行ってきた買収の事例は中国にとって参考に値すると論じた。

 記事は、2016年第1四半期における中国企業の国外における買収金額が計1130億ドルに達し、15年通年の金額とほぼ同じとなったことを紹介。チャイナマネーによる相次ぐ買収劇に対し、英国や米国では「まるで往年の日本のようだ」という報道が増えていることを伝えた。

 続けて、日本や米国などの先進国の企業が国外に多くの資産を保有していることに比べ、中国が保有する資産は国内に偏重しすぎているとし、中国が国外で企業買収を展開し、中国企業が国外に進出することは当然のことだと主張。そのため、かつての日本の買収劇を参考とし、教訓とすることが求められていると論じた。

 また記事は、中国企業が国外で企業買収を行う動機は「国内市場の低迷」が主な理由であり、国外で得た技術を中国国内に持ち込み、産業の高度化を実現したい考えと指摘。これが実現できれば、中国国内の市場はさらに拡大することになると主張、「バブル時には盲目的に国外の資産を買い漁った日本企業も、近年は成熟かつ有効な買収を行っている」と指摘し、バブル崩壊による苦い経験も含め、日本の買収事例は中国にとって参考に値すると論じた。

 中国企業が国外で買収を行うのは、まさに技術やノウハウを手っ取り早く入手することが主な目的であり、買収の対象はロボットのような先端産業も含まれる。中国企業の美的集団はこのほど、ドイツの産業用ロボットメーカーであるクーカの株式を約95%を取得するなど、日本のバブル期よりも巧みな企業買収を見せている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)