■連載/阿部純子のトレンド探検隊

 浅草にある商業施設「まるごとにっぽん」の1階にある、食のセレクトショップ「蔵」では、酒や調味料、菓子、加工食品など全国各地の小ロットや地域限定商品など約2000種類を扱っている。「噂には聞いたことがあるがなかなか手に入らなかった」、「故郷で食べた味を思い出して懐かしくなった」など来客者からも好評を博し、定期的に訪れる人も多い。

「まるごとにっぽん 蔵」のご当地グルメのプロであるバイヤーが選んだ数ある品の中から、初めて訪れる人のマストアイテムとして、おみやげとしても喜ばれそうな「ご当地びっくりグルメランキング」を紹介する(価格は税込)。

「まるごとにっぽん 蔵」がイチオシする、ご当地びっくりグルメランキング

【第1位】舞妓さんの泡醤油(生産地:京都府京都市/753円)

舞妓さんの泡醤油

 ムースのように口に入れるとすっと溶ける、泡状になった新食感のしょうゆ。食事に来た舞妓さんの着物を汚さないようにする、料理人の気遣いから生まれたという説もある。液体と違い、料理に均一に広げることができるので、和食だけではなくさまざまな料理にアレンジできるのも大きな特徴。お刺身や寿司などにはあらかじめ決まった分量をのせておけば、余分な塩分の摂取を控えることもできる。「蔵」で販売されているのは小分けタイプのもので、パウダー状の本品に水を加えて泡立ててから、冷蔵庫で少し冷やせば完成。

【第2位】万齢 のみりんこ(生産地:佐賀県唐津市/783円)

万齢 のみりんこ

 室町時代後期から存在するみりん。当時は調味料ではなく酒として飲まれており、一説では、上級階級の女性が愛飲していた高級酒だったという。江戸時代から料理にも使用されるようになり、戦後は料理用の調味料として普及した。

 唐津市の小松酒造が2012年に製造を開始した「のみりんこ」は“飲めるみりん”ではなく、原点に帰った業界初の“飲むみりん”だ。アルコール度数は14度と日本酒並みのきりりとした飲み口だが、もち米のでんぷん由来のブドウ糖が多く含まれているため、はちみつのようなまろやかな甘さがあり、アミノ酸も豊富に含まれている。

 店内で試飲もできる。本来のみりんの原材料はもち米、米麹、本格焼酎の3種のみで作られており、ストレートで口に含むと甘みのある焼酎のリキュールといった趣。オンザロックや炭酸割りがおすすめだ。寒い時期はお湯割りで飲むと体が温まる。都内ではまるごとにっぽんでしか購入できないので浅草に行ったときはぜひチェックしてみて。

【第3位】蜂蜜生せんべい(生産地:愛知県半田市/324円)

蜂蜜生せんべい

 愛知県知多半島の銘菓「生せんべい」は、老若男女に根強い人気。せんべいと名がついているが、黒砂糖とはちみつの甘みが特徴の半生菓子で、もちっとした食感で弾力があり歯ごたえ十分。茶色は黒砂糖、白色は上白糖を使っている。桶狭間の戦いの時に、徳川家康が母親のいる知多半島へ逃れる途中に食べたことが始まりとされ、名古屋のういろうや京都の生八つ橋のルーツとも言われる。

 焼かずにこのまま食べるが、香ばしさが増すとオーブンで軽く炙って食べる人も。かなりの弾力があり手でちぎるのが難しく、数枚重ねになっているが剥がすのもまた技術がいるので、食べにくい場合は包丁で切り分けた方がいいかも。

【第4位】かんずりの「ぬれ七味(七味の醤油漬)」(生産地:新潟県妙高市/501円)

かんずりの「ぬれ七味(七味の醤油漬)」

 新潟県妙高市に古くから伝わる唐辛子を使用した伝統調味料の「かんずり」。「ぬれ七味」は、みかんの皮、ごま、あおさ、麻の実、けしの実、柚子の六つの風味とかんずりをもろ味醤油で漬け込んだ変わり種の七味だ。

 普通の七味唐辛子と同じくうどんやそば、ラーメンなどの薬味として使ったり、餃子のたれにラー油代わりに使ったり、焼肉や焼鳥に直接つけたり、炒めものなどに調味料として使ったりと、辛みやうまみを足したいときにとても重宝する一品。

【第5位】ニッキ貝(生産地:島根県雲南市/181円)

ニッキ貝

 年配客が「なつかしい!」と思わず声を上げるという、昭和の幻の駄菓子として知る人ぞ知る存在の「ニッキ貝」。島根県の菓子メーカーが復刻して生産している。本物のはまぐりを使ったパッケージはインパクト大。しかも食べ方も斬新。はまぐりのふたを開けると、中にちょっと固めの沖縄八重山産の黒糖ニッキが入っており、黒糖が入っていない方の貝殻できりもみのようにねじり、削って食べるというもの。食べ終わった後は小さな穴を開けて貝笛を作ることもできる。昭和の情緒が感じられるお菓子で、今の子どもには逆に新鮮かもしれない。

【AJの読み】宝探しの気分で知られざるご当地グルメを発見できる

 各都道府県のアンテナショップは都内に数あれど、全国のご当地グルメをこの規模で集約しているショップは珍しく、浅草に行くと必ず寄ってしまうのが「まるごとにっぽん 蔵」だ。女性バイヤーによる小規模な酒蔵を含め全国から選りすぐった日本酒の充実度は素晴らしく、一見の価値があると思う。アルコール以外でも、今回紹介した調味料や菓子、加工食品などバラエティに富んだラインアップで、宝探しの気分で知られざるご当地グルメを発掘するのも楽しい。

文/阿部 純子

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