25日、台湾にはなぜか、日本語の音声が付されたテレビCMが非常に多い。その背景には何があるのか?

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2016年8月25日、台湾にはなぜか、日本語の音声が付されたテレビCMが非常に多い。自動車、化粧品、家電製品など日本メーカーの製品ならもちろんのこと、何かしら日本にゆかりのある製品なら、多くのCMが日本語で展開する。台湾で放映される、台湾人をターゲットにした広告にもかかわらず、だ。一体どれほどの消費者が日本語を解するのかと考えると、実に奇妙な現象だ。その背景には何があるのか?以下は、台湾のネットに掲載された記事。

実は、視聴者に日本語が聞き取れないことは大きな問題ではない。意味がわからなくても、多くの台湾人は日本語のアフレコがついているCMを見ると、その製品に高級なイメージを抱く。広告の狙いはそこにあるのだ。確かに親日家の多い台湾ではあるが、“日本びいき”であってもそうでなくても、多くの消費者が同様のイメージを抱く。「日本」という情報提示に対し、「それならば、ハイスペックに違いない」と条件反射のようにバイアスがかかるのは、行動経済学で言うところの「アンカリング」に当たる。

われわれは子どものころからデパートなどで、日本製品がローカル製品よりも格段に高い価格で売られているのを目にしてきた。実際、その価格の差だけ、性能や品質にも差があった。なぜなら、日本国内にとどまらず海外にまで進出してくる製品がそもそも、特別に優れたプロダクトだからである。「日本製品=ハイスペック」とは限らず、正確には「海外へ輸出されるほどの日本製品=ハイスぺック」なのだが、台湾市場でこれを受け止めるわれわれにとっては、「日本製=とにかくスゴイ」という固定観念が育っていく。この固定観念を突き崩すことは、日本民族が絶滅でもしない限り不可能であろう。

さて、台湾と長らく複雑な関係にある中国の首脳陣は、これと同じ手法を用いることはできないだろうか?中国のスバラシイ一面ばかりを見せ続けて、「中国=最高」というイメージを植えつけることは?単純なことだ。10年、20年もあればできる。「中国は天国!」多くの台湾人がそんなイメージを抱く日は…いやいや、そんな日が来ることは金輪際ないだろうが。(翻訳・編集/愛玉)

■愛玉プロフィール
中国語翻訳者、ライター。 重慶大学漢語進修課程で中国語を学ぶ。その後、上海で日本人向けフリーペーパーの編集、美容業界誌の中国語版立ち上げなどに携わる。中国在住経験は4年。レコードチャイナの編集員を経て現在、北海道へ子連れIターン移住。フリーで中国ニュースの翻訳や中国関連の執筆などを行う。得意分野は中国グルメ、中華芸能。
連絡先:writeraitama@gmail.com