捨てられる“規格外野菜”が美味しいピクルスに!「萩野菜ピクルス」が海外販売に至るまで

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季節を問わず、カレーやその他の料理の付け合せにピッタリの食品といえば、ピクルス。

外国産のきゅうりのピクルスはスーパーで比較的手に入りやすいが、酢がきつく感じられるなどの点から、少なくとも日本の食卓には上がりにくい食品だ。

ところが、そのピクルスを山口県萩市で生産された野菜で作り「日本人好みの味」に仕上げた人がいる。

「萩野菜ピクルス」の店長、椋木章雄さんは山口県萩市の出身。

高校卒業後いったん上京し、2010年に帰郷した。この時から萩野菜ピクルスの誕生物語は始まる。

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「萩を再生させたい」思いを抱く

高校生の時に、生まれ育った萩市が人口減少により、空き家が増え、街が廃れていく様子を見ていた椋木さんは「萩の街に人口を増やしたい」という思いを胸にしながら上京していった。

その後萩市に戻り、萩で捕れる魚「金太郎」を広める「頑張れ!萩の金太郎プロジェクト」に関わるなかで、山口県の農業が落ち込んでいる現実を知った。

萩の野菜の売り手としてブランド化への取り組みを始め、この事業を通じて思い至ったのが「萩の“規格外野菜”で作るピクルス」だった。

農家の方から、見た目が悪くて市場では売れない“規格外の野菜”をどうにかして欲しいという相談を受けていたことと、ある農家で瓶詰めのピクルスを見かけていたことが重なった。

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なぜピクルスにしたのか。

「1番の理由は加工品として一番手間がかからず簡単で、製造施設もローコストで建てられるからです。

2番目の理由としては、詰めるだけである程度はきれいに見えますし、あとは自分のデザイン性を追加すればさらに完成度が高くなると考えたからです」(椋木さん)

ただ、前述したとおり、酸っぱさの強いピクルスは日本人にとっていつも食べたい味ではない。椋木さんは日本中を回ってピクルスを食べまくった。

ピクルス専門のバーでは、「リピーターが出ないので止めてしまったが、バーのお客さんから強い要望があったのは、らっきょうのピクルスだった」という話を聞く。

食べてみると何てことはない、普通のらっきょうの甘酢漬けでしたが、日本人に馴染みがある千枚漬けのように、昆布の旨みが特徴のピクルスを作ろうと決意しました(椋木さん)。

その後失敗も重ねながら、2年かけて昆布だしベースの「和風味」、ハーブとスパイスベースの「洋風味」の2種類のピクルスを作り上げた。

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野菜を買い取る先の農家の方からも出来上がったピクルスに喜びの声をあげた。

「一番多い感想は『クズの野菜がこんなにキレイに変身するなんて!』という感想です。捨てる野菜がこうやってお金にもなり、あらたに命を吹き込まれて活用されるのは農家として本当に有難い、という声もいただいています」

規格外野菜だがらといって安く買い叩くことはせず、農家の言い値で買い取っている。

「農家さんの収入の一助になりたい」という思いもあるからだ。

2012年7月に「合同会社JINRI」として起業し「萩野菜ピクルス」を実店舗と通販で販売し始めると、評判はすぐに広まり、大手百貨店などに販路が拡大した。

http://hagiyasai.com/

hagiyasai.com

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萩から海外へ

2016年8月、日本食・文化等の海外プロモーションを行っているLADITTA(ラ・ディッタ)とパートナーシップ契約を結んだ。

椋木さんは「日本初のピクルスで海外に挑戦したい」と意気込んでいる。

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「お試しセット」をお試し

実際にどんなピクルスが届くのか。

箱がただの茶色いダンボールではなくオリジナルのデザインの箱で届いた。

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箱を開けると「萩野菜ピクルス」の紙が。

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今回注文してみたのはお試し4本セット(1980円・税抜)。

「萩野菜ピクルス和風味」「同・洋風味」「大根と梅と柚子のピクルス」「タマネギとオリーブと黒胡椒」の4種だ。

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暑い日に届いたので冷やして食べたいとも思ったが、まずは「和風味」を開封。

瓶にぎっしりと詰まっている。

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野菜は一口サイズに角切りされており、食べごたえもある。

そして、これまで思っていたピクルスの酢のキツさはまったく感じられず、そのままサクサク食べられる。

酢漬けというシンプルな加工食品こそ元の野菜の質が問われるものだが、美味しい野菜が使われていることを感じた。

もちろん味の好みの問題はあるだろうが、これだけ美味しい野菜が萩で作られているという認識も新たにできた。

「萩野菜」と「萩野菜ピクルス」の良さが、日本中と世界に伝わるよう祈りたい。