治療方法としては、薬物療法と行動療法が主体となるという。
 薬物療法では、膀胱の収縮を抑える「抗コリン薬」を使う。以前は1日2回飲むタイプが多かったが、近年、1日1回飲むだけで効果が長く続くタイプが登場。また今年、お腹や太ももなどに1日1回、湿布のように貼り付けるタイプも公的医療保険が適用となった。
 「ただし、『抗コリン薬』は患者によって尿の出が悪くなるほか、口の渇きや便秘などの副作用がある。そうしたことが考慮され、'11年には交感神経を刺激して膀胱を緩める『ミラベグロン』という薬が開発、発売されています。こちらは尿の出は悪くならず、口の渇きもほとんどない。様々な種類の薬が出たことで、症状や体質に合わせての選択肢が広がっています」(専門家)

 また、行動療法としては、体操や訓練などがある。
 「その一つが、おしっこをしたくなっても、すぐにトイレに行かずに我慢する膀胱訓練です。はじめは2〜3分我慢し、少しずつ時間を伸ばして膀胱に尿を溜められるようにします。もう一つは、膀胱や尿道を支える筋肉を鍛える骨盤低筋体操。椅子に座った状態や、仰向けに寝た状態で、肛門や膣を緩めたりする。3カ月ほどで効果が表れてきます。これらを続けることで、尿意がなくなる人もいます」(前出・吉田氏)

 また、骨盤近くの筋肉に電気で刺激を与える治療もあるという。しかし現在、国内で公的医療保険が使えるのは、低周波を流す治療のみ。お尻や下腹部に電極を付け、治療中にピリッとした痛みがある。
 他に、磁気刺激も有効とされている。磁場を発生させる装置付きの椅子に1回20分ほど座って行うのだが、痛みはなく服を着たままで受けられ、電気よりも膀胱の収縮を抑える効果は高いという。今では、医療機器として承認もされている。

 では、さらに身近でできる対処法には、どんなものがあるか。
 北里研究所病院・理学療法士の新井雄司氏に聞いた。

 (1)夕方にウオーキングをする。
 「立位の状態でいる場合、体内を巡る血液やリンパ液は、筋力の低下などで夕方になると下肢に溜まり、むくみを起しがちになる。横になると、溜まっていた血液やリンパ液は大量に戻り、水分が腎臓から尿として排泄される。この尿が夜間に出る場合が多いとされているのです。ウオーキングをするとふくらはぎが刺激され、血流などがよくなり、夜の尿が減って夜間排水の回数が減ります」

 (2)寝る2、3時間前に風呂に入る。
 「風呂に入ることで血流がよくなり、寝る前に下肢の水分が尿となって出やすくなります」

 (3)就寝1時間前にマッサージをして足を上げる。
 「足首から順に上に行くように、ふくらはぎを両手でマッサージをすること。揉んだり、さすったりするだけで大丈夫です。数十分の足上げでも、効果があります」

 ある医療関係者は言う。
 「頻尿は、自覚症状があっても、恥ずかしがって病院に行かない人も多い。治療を組み合わせると、多くの患者さんは改善します。症状があれば泌尿器科の専門医らに相談して欲しいですね」

 向き合うことで、改善策があっけなく見つかるかもしれない。