人間が生きていくうえで絶対に欠かせないものといえば、「食」である。中国では今、食品の安全性が脅かされるとともに、食べ物の浪費が深刻な社会問題となっている。子どもたち「食」の大切さをどう伝えていくかも、大きな課題の1つと言えそうだ。

 そんな中、日本が取り組んでいる「食育」の試みへの注目が高まっている。中国メディア・新華網は22日、日本が全国民を動員して積極的に食育の普及を進めているとする記事を掲載した。記事は、先日中国国内で行われた食文化に関するシンポジウムにおいて、新華社世界問題研究センターの研究員が日本の食育への取り組みについて紹介したことを伝えた。

 まず、2006年に日本政府が「食育基本法」を制定し、内閣、農林水産省、文部科学省、厚生労働省など、政府をあげて食育の普及活動に参加していることを紹介。毎年6月を「食育月間」として、今年は「食生活を通じてコミュニケーションを促進する」、「然るべき生活リズムを作る」、「食品の安全に対する意識を高める」などの重点を決めたうえで食に関する啓発に力を入れたと説明している。

 また、厚生労働省が定めた指針では地域や家庭が協力したうえで、保育従事者、調理師、栄養士、看護師の知識を利用し、子どもたちの食育を推進することが規定されており、そこには「食事は単に腹を満たすためではなく、人と人との信頼関係を築く行動である」などといった文言が盛り込まれていることを紹介。

 内閣府が毎年「食育標語」を募集し、全国の小中学校が参加していること、学校では社会や体育、家庭科などの科目と食生活を有機的に結びつけた食育が行われていること、社会においても親子料理教室や飲食に関する講演会などといったイベントが催され、各業界の企業も積極的に活動に参加していることも併せて伝えた。

 広大な国土と多様な民族の共存により、世界でも類を見ないほどの多様な食文化を持っている「はず」の中国。しかし現代において中国の「食」は「怪しいもの」、「危ないもの」といった残念なレッテルを張られがちだ。食の安全を取り戻すとともに、まだまだ世界に知られていないであろう中国の奥深い食文化の数々をぜひとも広めて欲しいものである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)