ペンタックス「K-1」ユーザー待望のフルサイズ一眼のひと味違う魅力とは

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2016年4月、ペンタックスユーザー待望の35mm判フルサイズイメージセンサーを搭載した「K-1」が発売となった。これまで他社にない独創的なアイディアを製品に搭載してきた同社は、その集大成と言うべき技術でK-1を作り上げてきた。



K-1が搭載するイメージセンサーは3640万画素の35mm判フルサイズ(35.9mm×24.0mm)だ。ISO感度は100〜204800とペンタックスカメラの中でも高感度に強く、まさに大型イメージセンサーを搭載するフルサイズならでは。

そしてこの大型のイメージセンサーを、撮像素子シフト方式の手ブレ補正SR(Shake Reduction)で制御するのだから驚きだ。このSRは、手ブレ補正の効果は5段分、上下左右のブレのほかに回転ブレとシフトブレも補正する5軸の補正を可能とする最新のSR IIを搭載している。

デザインは巨大なペンタ部が中判カメラを彷彿させる特徴的なものだ。大型のペンタプリズムが搭載されていることが容易に想像できる。ボディはマグネシウム合金、防塵・防滴性能をもち、過酷な環境下でも撮影可能な高耐久性能をもつ。



撮影操作は、アナログ操作をさらに推し進めた「スマートファンクション」を搭載。従来の前面と背面の2つの電子ダイヤルに加えて、ダイレクトに機能を操作できる独立した設定ダイヤルを搭載。このダイヤルに露出補正やISO感度設定などを機能ダイヤルで割り振ることができる。ダイヤルによるアナログ操作によって、今どの設定が割り振られているのかが確認できる、これがK-1の使い勝手の良さとなっている。

この機能ダイヤルの下には、静止画・動画の切り替えレバーがある。このあたりは、しっかりと取扱説明書を読んでおかないと意外と気付かないポイントなので注意してほしい。

シャッターボタンに取り付けられた電源スイッチには、絞りプレビュー機能があり、撮影前に操作しやすく、使い勝手が良い。
被写界深度が浅いフルサイズカメラでは特に活用したい機能のひとつだ。

一方で、本体の厚みが増していることもあるのだが、大きめのグリップは握りが浅い。
最近は、グリップの内側をえぐるようなデザインを採用して問題をクリアするモデルもあるので、そこは一考してさらに良い製品に仕上げて欲しいと感じた。
もちろん現状のグリップでもしっかりと握れて撮影できるのでそこは安心して欲しい。




露出モードダイヤルは左肩にあり、通常の露出モードやX接点、BULBのほかに、ユーザーカスタムが5つも登録できる。動体撮影や三脚使用時やライブビュー撮影など様々なシーン向けのカスタム設定を登録できるのでこれは便利だ。

背面ディスプレイは「フレキシブルチルト式液晶モニター」を搭載し、目的の角度にダイレクトに固定できる独創的な技術が組み込まれている。引き出して回転させるなどの手間が掛からず使いやすい。

ファインダーの視野率は100%で、倍率約0.70倍(50mmF1.4・∞)。ファインダーで見える世界は広く、さすがフルサイズと感じる。ファインダー倍率は突出して高くはないが、搭載されているブライトマットIIIスクリーンはピントのヤマが分かりやすい。



記録メディアはSDXCメモリーカードに対応し、デュアルスロットを搭載する。
JPEGとRAWを個別に保存できるなど、柔軟性を持たせている。カバーに近い奥がスロット1、手前がスロット2だ。

背面にはOKボタン周りに各種機能が割り当てられているが、スマートファンクション機能を利用することで、フォーカスフレームを動かす方向キーとして活用できる。もちろん、従来の操作に慣れているのであれば、フォーカスモードの切り替えボタンと併用操作も可能だ。



K-1は、コンパクトなペンタックス一眼レフカメラより大きく無骨な印象を受けたが、実際には他社のフルサイズ一眼レフカメラよりも小さいことに気付く。しかしながら、スマートファンクションやフレキシブルチルト式液晶モニターなど、ペンタックスらしい独創的な機能もコンパクトなボディに盛り込まれている。
こういった一見オーソドックスなルックスながら、使えば使うほど味が出てくる。
それがペンタックスカメラの良さと言えるだろう。


記事提供:クチコミjp(http://kuchikomi-web.jp/blog)