乳がんを早期発見するために…今すぐしておくべきこと

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日本人女性の12人に1人は乳がんを発症すると言われる時代です。どのがんも早期発見が大事なことはよく知られていますが、特に、乳がんについては早期発見の意味が大きいと言えます。乳がんの9割以上が早期に治療を行うことで再発しないからです。では、乳がんを早期に発見するためにどんなことに気をつけておけばよいのか、みていきましょう。
乳がんはどうして早期発見の意義が大きいの?
乳がんはがんの中では比較的に進行が遅く、転移をしない限りはそれほど悪いがんではないと考えられています。生存率で見た場合、リンパ節への転移が認められなかったら、5年後に生存している確率(5年生存率)は約96%です。リンパ節への転移の数が多ければ多いほど生存率は下がり、10個以上では約55%にまで落ちます。

とはいうものの、乳がんにもいくつかのタイプがあり、小さくても転移がしやすい怖いタイプのものもあり、検査をするまではわかりません。できるだけ、小さいうちに発見することが大切なのです。
乳がんの自覚症状ってどんなもの?
初期症状というものがあれば、症状に注意を払えばよいでしょうが、残念ながら乳がんは自覚症状に乏しいがんの一つです。しこりを触って確認できない頃であれば、ほとんど症状がないでしょう。少し大きくなって、おっぱいに張りを感じることがあっても、生理に関係するものだと放っておいたり、痛みもほとんどないことから、検査を後回しにしたりして、発見が遅れがちです。

自覚症状が出てから、検査をしたのでは、がんが進行している可能性も考えられるので、定期的に乳がん検診を受けることが大切です。
乳がん検診を受けていれば、それで十分なの?


日本では40歳を過ぎると乳がん検診を受けることが推奨されています。多くの自治体では2年に1度に無料か安価で乳がん検診が受けられるでしょう。厚生労働省が推奨している乳がん検診は問診とマンモグラフィーという検査です。

マンモグラフィーとは乳房専用のX線検査のことで、がんになる前の小さな石灰化も発見できるという利点があります。一方で、マンモグラフィーは乳腺が発達していると発見しにくいという欠点もあり、40代までの若い人においては見過ごされる可能性があります。

その欠点をカバーする検査として超音波検査が見直されています。超音波検査は、小さい石灰化は見つけにくい反面、乳腺の発達具合に影響を受けない点が大きな魅力です。マンモグラフィーと超音波検査の両方を受けると、マンモグラフィーだけの検査を行うよりも、がんの発見率が高くなるというデータも発表されています。
乳がんになるリスクの高い人っているの?
乳がんの原因には、女性ホルモンの一つ「エストロゲン」が大きく関わっていることが知られています。エストロゲンにさらされる期間が長ければ長いほど乳がんになるリスクが高まります。初潮が早かった人、閉経が遅かった人は、注意が必要です。

エストロゲンは20代で一番分泌量が高くなると言われているので、その時期に妊娠経験や授乳経験がある人はリスクが低くなると言われています。逆に当てはまらない人はリスクが高いので注意しましょう。

また、肥満との関係も強く、生活習慣や食習慣が乳がんのリスクを高めることもわかっています。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠と休息をとることが大切なのです。
乳がんって遺伝するの?
乳がん患者の約1割は遺伝が関係していると考えられています。2013年にアメリカの大女優アンジェリーナ・ジョリーさんが乳がんの予防のために乳房摘出手術を受けて話題になりました。

遺伝性乳がんのほとんどがBRCA1かBRCA2のどちらかの遺伝子に変異があることが分かっています。遺伝子に変異がない場合、50歳までに乳がんになる可能性はたったの2%であるのに対して、遺伝子に変異が認められると、33〜50%にまであがります。

対象年齢を70歳にまで広げた場合、変異がない人で乳がんになる可能性が7%であるのに対して、遺伝子の変異を認めると56〜87%にまで上昇します。BRCA1かBRCA2に変異があると「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群」と呼ばれ、乳がんだけでなく、卵巣がんの罹患リスクも高くなるのです。
血縁者に乳がん・卵巣がんの人がいる場合、40歳を待たずに検診を受けよう
遺伝子に変異があるかどうかは、遺伝子検査をすればよいのですが、保険がききませんから、費用が高額で、現実的とは言えません。大学病院によっては遺伝カウンセリングを設けている所があるので、受診をしてみると有益な情報やアドバイスがもらえるでしょう。

それも難しいという場合は、40歳という国の基準を待たずに、乳がん検診を受けることをおススメします。また、2年おきではなく、毎年の検査が有効でしょう。

乳がんは早期に発見すれば再発がほとんどないがんの一つです。40歳を過ぎたら乳がん検診を必ず受けるようにしましょう。乳がん検診で行うマンモグラフィーに加えて、超音波検査を受けておくと更に効果的で、血縁者に乳がんや卵巣がんの人がいる場合は、40歳を待たずに、できれば毎年検診を受けるようにしましょう。

初潮が早い、妊娠の経験がないなど乳がんのリスクが高いという人も毎年の検診を考慮してください。まずは、乳がんや卵巣がんなどに詳しい主治医を持つことをおススメします。年齢、家族歴、リスクなどから、どれくらいの頻度で検診を受けるべきか相談してみると良いでしょう。

〈プロフィール〉

mathy

日本ではナースとしてバリバリ働いていましたが、長年の夢であったオーストラリアへの移住を果たしました!今は子育ての真っ最中、フリーランサーとして働きながら、家族5人ブリスベンで、のんびり生活しています。ナースの経験を活かした健康記事をお届けしたいと思っています。

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