客ゼロなのに潰れない店。裏の仕事は…

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 繁華街の一等地にある、客の入っていない小汚い中華料理店。そんな店を一度は見たことがあるだろう。通常、繁華街の路面店は飲食にとってこれ以上ない一等地。それだけに家賃も破格で、相応の売り上げが求められるはずなのだが……。そんな店には、一体どんな秘密が隠されているのか?

◆中華料理店で暗躍する、就労ビザブローカーの実態

 都内の居酒屋店主Aさんは、ある日、その謎に触れる機会があったという。

「知人を介して、中華料理屋の店主から『紙おむつを100個用意できないか?』と相談されたんです。ほかにも風邪薬からマスクまで書かれたリストをもらいました」

 小売店は中国人の“おむつ爆買い”を規制しているため、日本人であるAさんを頼ったのだろう。さらに、話を聞くと焼き鳥屋を営むBさんのもとには、転売どころではない驚きの依頼があったという。

「知り合いの中国人を雇ってくれたら数十万円支払うと言われたんだ。おいしい話だとは思いましたが、ぐっと我慢して断りました。怪しいなぁと思ってたんですが、ウチ以外にも同じような話をもらった店があって、あの中華料理屋は裏でビザを取らせるブローカーやってんだって噂になったんだよ」

 就労ビザの取得には、受け入れ先となる働き口と役所への手続きが必要となる。中華料理店店主は、飲食の看板の裏で、それらを一手に請け負っていたのである。

「相場は中国人労働者1人につき数十万円。ビザがおりればすぐに解雇して、何人も形だけ雇っていたようです。自分に話がきたのは、同じ店でビザの申請をし続けると怪しまれるのを回避するためでしょうね。

 地主で趣味でやっているわけでもなく、味も並以下で、床はいつも油汚れでぬるぬる。とてもじゃないけれど、路面で経営を維持できる店じゃないと思っていましたが……」

 さすがにこの申し出があってからは、知人と距離を置いたBさん。

「飲食業界で身につけた智恵として、何をしているかわからない客には近寄らないってのがあるんですが、それと一緒。こんなことには関わりたくないですよね」

 その中華料理店は今も、客はいないが絶賛営業中だという。

―こんな店で食べたくない![飲食業界]の裏側【7】―