■連載/阿部純子のトレンド探検隊

●地元でしか飲めない地域密着型の特別な「一番搾り」

 2016年5月から10月にかけて順次発売している、全国47都道府県ごとに味の違いや個性を楽しめる『47都道府県の一番搾り』。その地域の風土や気質、食文化などの魅力を『一番搾り』で表現しようと、地元に詳しい全国400名以上の消費者が開発に参加して完成した、いわば“ご当地ビール”のような特別な『一番搾り』だ。

売上好調で年間販売目標を上方修正!「47都道府県の一番搾り」味の違いはどこにある?

 開発にあたっては、全国9工場の醸造長と全国の支社長が、地元食や文化、情報に精通している人たちと一緒に共創ワークショップを実施。そこで作成された商品コンセプトを元に商品開発を進めた。下記の画像は、6月に発売された「広島づくり」のワークショップの様子。

売上好調で年間販売目標を上方修正!「47都道府県の一番搾り」味の違いはどこにある? 売上好調で年間販売目標を上方修正!「47都道府県の一番搾り」味の違いはどこにある?

 5月10日の第1回から8月2日の第4回の発売分まで、38都道府県が発売されているが売上は好調で、年間販売目標を当初予定の120万ケースの約7割増となる200万ケースに上方修正した。最終回の発売は10月12日の9県。

 “地域密着型”なので基本的に該当エリアのみの販売で、地元でしか味わえないというローカル感もいい。9月中旬までの限定ショップ「キリン一番搾りガーデン」東京店と大阪店でも期間ごとに各地の「47都道府県の一番搾り」を提供する。公式サイトには都道府県ごとに地元の『一番搾り』が飲める店舗が案内されているので、旅行や出張で訪れた際に試してみるのもいいかもしれない。

 8月2日に発売された12県(山形、埼玉、三重、高知、徳島、長崎、福島、山梨、香川、愛媛、大分、宮崎)を飲み比べしてみた。ずらりと並ぶ各地の「一番搾り」を見て、「一番搾り」は「一番搾り」の味だからこそ「一番搾り」なのであって、地域ごとに味が違っては「一番搾り」を愛飲する人にとっては本末転倒なのではないか……全部同じ味だったら記事にならない……などなど、不安を抱えながら試飲してみることにした。

売上好調で年間販売目標を上方修正!「47都道府県の一番搾り」味の違いはどこにある?

 飲む前に何かわかりやすい違いがあるのかとパッケージを見たところ、アルコール度数に違いがあることを発見。今回の12県の中でもっともアルコール度数が高いのは高知で6.5%、一番低いのは福島の4.5%。通常の「一番搾り」は5%なので、高知はずば抜けて度数が高いことがわかった。

【AJの試飲】鈍感味覚夫婦が独断と偏見で選んだオススメ5選

 ビールの味を表すときに使われるのが「コク」と「キレ」。私も記事執筆で良く用いるが正直に告白すると、はっきりとした内容がわからず漠然とした印象で使っていた。そこで@DIMEの過去記事でお勉強。

 記事によると、コクのあるビール系飲料とは苦味が強く、その苦味が緩やかに減っていき、飲み終わった後も余韻が残る。キレのあるビール系飲料とは酸味が強く苦味が急速に減り、余韻が残りづらく鋭い飲み味になる、とのこと。平たく言うと、コクがあるのは苦いビール、キレがあるのはさっぱり飲みやすいビールってこと?

 とにかく飲んでみようと夫と2人で4本づつ3日かけて飲んでみた。正直なところ、私たちのような鈍感な味覚では、いつもの「一番搾り」との味の差がわからないものもあったが、明らかな特徴を持っているものもあった。独断と偏見で大変恐縮だが、試飲した中で印象に残った県をピックアップしてみよう。

売上好調で年間販売目標を上方修正!「47都道府県の一番搾り」味の違いはどこにある?

●『愛媛づくり』⇒香りが違う!苦味を抑えたフルーティーな味
 明らかに香りが違うと感じたのが愛媛。柑橘系のようなフルーティーな香りは香りのホップを使用しているとか。苦味が控えめで飲みやすい。甘めな飲み口が愛媛の料理に合うそうだ。アルコール度数5%。

●『三重づくり』⇒「コク」と「キレ」のいいとこ取り?
 しっかりとした苦味(コク)があるのに、澄んだ感じのうまみとすっきりとした味(キレ)も感じられる。夫曰く「作っている水や原料自体がおいしいのではないか」と推測していたが……?アルコール度数5.5%。

●『長崎づくり』⇒バランスに優れた万人向けの味
 「三重づくり」は若干苦味寄りだったが、苦味と甘みのバランスの良さが一番感じられたのが長崎。昔ながらのコクのあるビールが好きな人でも、飲みやすさでキレ重視の人でもおいしいと感じられる万人向けの味という気がする。アルコール度数5%。

●『山梨づくり』⇒飲み応えがあるのにフルーティー
 「愛媛づくり」に似たフルーティーな香りで飲みやすいのに、アルコール度数が高めのためしっかりとした飲み応えもあり、ガンガン飲みたくなる味。白ぶどうのような香りは、ホップを発酵タンクに漬けこむひと手間かけた製法により実現したのだとか。個人的には今回の中で一番気に入った味。アルコール度数6%。

●『山形づくり』⇒ビールらしさを存分に感じるビール
 夫が一番気に入っていたのがこちら。「赤ワインでいうとタンニンが強い感じ?」などよくわからない表現をしていたが、味がしっかりとして麦芽の苦みを感じるビールらしいビールだと言いたかったらしい。低温麦汁濾過製法を採用することで、雑味の少ないきれいな味わいを実現したという。アルコール度数5%。

文/阿部 純子

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