「アッシー君」という言葉を久しぶりに聞き最近の恋愛事情を考える

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バブル時代に生息していた「アッシー君」とは?

最近「アッシー君」という言葉を久しぶりに聞き、懐かしく感じました。
皆さんは「アッシー君」という言葉をご存知でしょうか?
かつて「アッシー君」という言葉が使われていた時代がありました。
バブル世代と言われる今の40代後半〜50代の人達の時代ではないでしょうか。

アッシー君とは、バブル最盛期の当時、学生であっても高級車「シーマ」や高級外車を乗り回し、授業が終わる頃を見計らって女子大前の道に車を横付けにして、お目当ての女子大生が学校から出てくるのを待つという男子学生の中で、単に彼女たちを送迎するだけの存在にすぎない人のことを揶揄して使われていました。
車がすらっと並ぶ光景は、その当時の学生文化であったように感じます。
それは、彼女たちが就職をしたあとも続き、会社の飲み会が終了する頃合いに「彼女」あるいは「彼女未満」の女性たちの送り迎えをするのが、アッシー君の役割でした。
今の若い人たちがこれを聞けば、タクシー運転手でもないのに何で自分の時間を相手の送迎だけに使うのか、と不思議に思うかもしれません。

しかし、この時代はこれも一つの愛情表現という側面がありました。
もちろん、アッシー君的な存在はごく一握りでしたが、大なり小なり男性の女性に対する愛情の示し方はこれに近いものがあったのです。
クリスマスに高額なプレゼントとフレンチ、高級ホテル宿泊という3点セットを男性が用意するのが当たり前というものもありました。
彼らの時間は、ほぼ女性中心に回っていたといっても過言ではありませんでした。
でも、これが恋愛のきっかけ作りとなり、結婚していった人達も多くいて、恋愛結婚世代を築いていたのです。


アッシー君世代から大きく変貌した恋愛や結婚の価値観

アッシー君世代より上の今の70歳代以上の世代はお見合結婚が主流です。
それ以降、団塊世代からはだんだんと恋愛結婚の方へ量的比率が逆転していきます。
そして、アッシー君世代になるのですが、アッシー君文化は、日本の若者の出会い・恋愛文化に少なからず影響を及ぼしているように感じます。

70歳代の時代にアッシー君の存在はなく、夫唱婦随が夫婦の形で女性はご主人が亡くなってはじめて家事から解放されます。
しかし、恋愛結婚主流の団塊世代になると、子供が独立をすると女性は半分家事からの解放感を持ちます。
また、恋愛結婚の特徴として女性が主体性を持って相手を選びます。
その結果、妻は主体性をもって家庭を築くようになります。
今の「個」の時代の始まりです。

アッシー君世代は、前の時代の封建的な考え方の親の元で育ち、その後の経済発展と共に革新的な主観とを併用して生きてきた世代です。
そのバランス感覚が、主体性を持った女性を相手にうまくこの時代を乗りきったように感じます。

しかし、それから25年が経過して、日本の恋愛結婚文化は引き継がれていません。
今やアッシー君の存在はなく、1986年、男女雇用機会均等法が施行されてからは、男女の格差のない社会で、男性が女性のアッシー君をする余裕は全くなくなりました。
また、女性もアッシー君を待つよりも自分の力でできる財力を持ちました。

しかし、本来の男女の役割はなにも変わってはいません。
そして今社会現象として現れたのが、婚活ブームです。
男女均等の世の中で、恋愛だけは男性にリードしてほしいと願う女性と均等社会で絶対的な経済力をもつことが無くなった男性とを結びつける決定的なものは未だ生まれていません。

25年前のアッシー文化のようなものが生れてくることにより、男女の距離感はもう少し近くなり、お互いに意識し合える関係になるのではないかと期待をしつつ、アッシー君が日本の恋愛事情や結婚の有り方を変えるほどの存在であったことを改めて考えなおした次第です。


【自念 真千子:産業カウンセラー】


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