「ヤッさん〜築地発!おいしい事件簿〜」(テレビ東京系)最終話。最後二時間とはいえ、全6話は短い。ヤッさん(伊原剛志)の魅力がどんどん引き出されてきたところだったのに。


最終回をザックリ説明するとこんな感じ


築地市場の豊洲移転を間近に控え、正一(上地雄輔)は築地祭りを計画。そこにイベントコーディネーターでヤッさんの元彼女の礼子(高岡早紀)が訪れ、一緒に食フェスをやろうと提案する。

築地のみんなは礼子がヤッさん(伊原剛志)の知り合いなら信用出来ると、出店を決意する。しかし、タカオ(柄本佑)はヤッさんに鍛えられたその舌で、礼子が用意する料理の食材に違和感を感じていた。

そんな中、みんなが無理して集めた金を礼子は自分が経営する会社の為に持ち逃げしてしまう。さらにその金をヤッさんが宿無しになる原因を作った悪徳ブローカー近藤(大鶴義丹)に騙し取られる。この責任を取るためヤッさんは築地を出て行くことに。

しかし、ヤッさんと老舗蕎麦屋の店主である橋田(里見浩太朗)は、近藤の事を探っていた。そして築地のみんなともう一度手を組み、近藤を逆に詐欺に引っ掛け、金を取り戻したのだった。

ヤッさんは宿無しを辞め、ケジメをつけるとオモニにプロポーズするも、生き様に納得がいかないオモニにフラレてしまう。築地のみんなはフードフェスを諦めるが、ヤッさんおかえり祭りと称して大宴会を開き、めでたしめでたし。ヤッさんは移転先の豊洲の市場に出入りし、今まで通り宿無しとして生活することを決意した。

見所が多い2時間スペシャル


築地のみんなを騙して金を持ち逃げしようとした礼子を受け入れてナポリタンを作るヤッさんも良かった。いがみ合っていたはずなのに、そんな礼子の心情を誰よりも早く察して自殺を止めにきたオモニもカッコよかった。ヤッさんの為にキレた正一はクローズを思い出させた。タカオからミサキ(山本舞香)へ、正一から由希子(富永沙織)への連続プロポーズに感動した人もいるだろう。

2時間スペシャルだけあって、注目すべきポイントは盛り沢山だ。中でも個人的にヒットしたのは、タカオの左耳のピアスになる。

近藤を騙すために、築地のみんなはそれぞれが変装して各々の役を全うした。ミサキと由希子はキャバ嬢。オモニは怪しい中国人女社長。橋田はそのお付き。ヤッさんはそのドライバー。正一は捨てるはずのクズマグロを売ろうとする魚問屋といった具合だ。そして、タカオの役はそのクズマグロを捌くスジ者の男、ミナミだ。

この役柄をみんな自分達で演じている。柄本佑がスジ者を演じているのではなく、タカオがスジ者を演じているということだ。黒いスーツにサングラス、そして左耳のピアスは、このメンバーみんなで知恵を出し合って用意した衣装なのだ。

タカオは果たして元々ピアスの穴が空いていたのだろうか?いや、キャラ的に絶対空けた事なんてない。つまり、この為に開けたのだ。みんなでスジ者像を考えて、開けた方がそれっぽいと考えたのだ。なんてバカバカしいのだ。

タカオ「オモニ!中国人女社長は、羽根付きの赤いセンス持った方が感じ出ません?」

ミサキ「橋田さんはこの変な口ヒゲつけて!」

正一「タカオの名前はミナミでどうだ?」

タカオ「それミナミの帝王からきてません!?」

ヤッさん「するってぇと、クズマグロの取引現場は港の倉庫か?」

オモニ「タカオはピアス開けたがいいんじゃないかしら?」

タカオ「この為に開けるんすか!?」

ミサキ「私開けてあげる〜」

きっとこんな感じだったのだろう。調子に乗ったタカオのオデコをヤッさんは叩いたはずだ。楽しい詐欺の打ち合わせ現場、このシーンを少しでいいから見たかった。

この仲間総動員の感じは、最終回に相応しいストーリーだった。正月スペシャル「帰ってきたヤッさん!〜築地未来市場発!おいしい事件簿〜」みたいなヤツをやってくれないかと切に願う。
(沢野奈津夫)