耳を傾けるべきは女性の声? 「家族にやさしい企業」になるために

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間もなく子どもたちの夏休みが終わり、新学期が始まる。夏の終わりが近づくと、各世帯は生活リズムの変化に備えなければならず、アメリカでは各雇用主もそれに応じて調整を試みている。

新たに家庭を持ったミレニアル世代の従業員たちは、”伝統的なアメリカの家庭”の姿を一変させつつある。現在、子どものいる世帯の40%では女性が一家の大黒柱だ。同性カップルで養子や代理出産により子どもを授かる人々もおり、ほかにも多くのカップルが、子育てにおいて伝統的な男女の役割にとらわれない形をとっている。

こうした多様な家族を持つ従業員を企業にひきつけ、また手放さないために、雇用主たちは新たな方策をとっている。育児休暇制度を拡大する企業もあれば、卵子凍結や養子縁組に手当を支給する企業もある。

だが企業が「家族にやさしい」とは、どういうことなのか。そして従業員は、どこを重視すべきなのだろうか。

女性の労働環境を目指すサイト、フェアリーゴッドボスでは、1,600人の女性を対象に調査を実施。自分が働く企業には、自分が思う「家族にやさしい」姿勢があるかどうかを尋ねた。すると驚くことに過半数(60%以上)の回答者が、自分の働く企業には少なくとも1つの分野において、家族にやさしい姿勢があると回答した。

一番の驚きだったのは、回答者の女性たち(幅広い年齢・職種で、子どもがいる人もいない人もいる)の62%が、雇用主は「時間の面で家族にやさしい」と回答したことだ。昨今、アメリカ人は働き過ぎで、多くの従業員が常に同僚や上司の役に立てる状態であるよう期待されていると言われているにもかかわらず--だ。

だが一方で、雇用主が家族にやさしい企業文化をつくっていると考えている女性は、わずかに過半数を超える53%だった。

もちろん、文化というのは評価が難しい。最高幹部の演説から、子どもの学芸会のために早退していいという暗黙のルールまで、さまざまな形で示されるからだ。

結果として、家族にやさしい企業文化というのは雇用主によって大きく差があるようだ。そして文化が一様ではない企業においては、部署やマネージャー、チームの文化も大きく影響してくる。

女性たちが改善の余地ありという点で同意したのは、企業の方針だ。自分の働く企業に、家族にやさしい方針があると考えている女性は、わずか36%だった。

有給の出産休暇や社内保育所などは、企業にとっては高額な出費と思えるかもしれないが、それでも企業の方針は段階的な改善が可能な分野でもある。既に定着した企業文化と比べて、従業員は企業方針の適度な改善には、比較的すぐに慣れることができる。

それに、従業員の疲弊を軽減したり従業員のエンゲージメントを向上させたりする上で役立つならば、多少のコストがかかる小規模な改善は、企業にとって十分に許容可能なものだろう。たとえばアウトドア用品大手のパタゴニアは社内保育所について、ほぼ採算が取れる効果があるとしている。

企業方針を少しずつ改善していこうと考えている企業は、手始めに出産休暇や育児休暇を1週間か2週間、拡大することができる。同様に、子どものいる従業員に対して支援を提供するという方法もあるし、フレックスタイム制や自宅作業の選択肢について、まずは特定のポジションから正式導入する方法をとることもできる。

データを見ると、企業が家族にやさしいかどうかは、女性従業員の仕事満足度に大きく関係してくる。

各企業にとって、変革を検討する価値はある。家族にやさしい雇用主になるために”これさえやれば”という確実な方法はないのかもしれない。だがそこにチャンスがあるはずだ。