したたかなビジネスだらけ…刺激に溢れたマンハッタンのチャイナ・タウン散策

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米国内ではもちろん、世界的に見ても最大規模を誇る。

最新の調査ではこのエリアの在住者だけでも1万人を超えるという。

その魅力といえばまずは美味しいレストランに尽きるだろう。

高級レストランから大衆食堂、そして屋台のような移動式店舗。

ひとくちに中華系と言ってもその多様性には改めて驚かされる。

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Photo : NYCOARA

もちろん日本人の嗜好に合う店も少なくはなく、人気のレストランなら日本語のメニューを目にすることもあるだろう。

こちらでは「Dim Sum」と呼ばれる飲茶は人種や国籍を問わず人気だし、各種の麺類や小籠包もそこかしこで様々なものが売られている。

同じような料理でも調理法や味付けは千差万別。似たような料理であっても店ごとに無数の味付けが存在し、自分の好みを味を探し当てるというのもこの街の楽しみ方の一つだ。

しかしあまりにも店の数が多いので、やはりある程度の選別眼も必要となるだろう。

例えば「麺好き」と言った方だと、全ての店を一通り回るだけで一生分の食事回数でまだ足りないと言ったことになりかねない。

「中華」では言葉が足りない

しかし我々日本人だと「中華料理」とひとくくりにしてしまいがちだが、彼らにとっては地方ごとで全く別な料理となる。

料理人や経営者がひとくちに「中国系」と言っても、その出立は本当に様々。

日本の方には思いもよらないことだろうが、ニューヨークに住む中国系の知人に「美味しい中華が食べたいけれど、どこかお勧めはある?」と聞くと、返ってくる答えは「北京料理?広東料理?それとも台湾料理?」だ。

つまり我々日本人なら同じ日本の食事と言っても「すき焼き」と「うどん」もしくは「寿司」が日本食と言っても全く別であるように、彼ら中国系の人々にとって北京、広東、そして台湾料理などは全く別々な料理なのである。

日本だと全てが同じ「中華料理」なのだが、この地では全てが独立した誇るべき地元料理なのである。

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Photo : NYCOARA

店側もその客層に合わせたビジネスをしっかり行っている。

駅前のマクドナルドとバーガーキングの看板が中国語で書かれている一方で、幾つかのレストランでは英語のバナーが大きく掲げられており、中華系ではない層をターゲットにしていることが見て取れる。

もちろん日本語のメニューを置く店もある。あえて日本語のポスターを貼り出すことで、憧れの日本の食事を味わいたいというアジア系住民をターゲットに定めるしたたかな店も。

同じように見える中国語の看板も広東語、北京語、福建語とあり、それぞれの地域の出身者が主たる客層なのであろうと想像できる。

このような社会背景を知った上でチャイナ・タウンを散策すると、NYの中でも特に人種のるつぼと化しているチャイナ・タウンの真の姿が見えてくるのである。

ショッピングはあなた次第

チャイナ・タウンのもう一つの魅力といえばショッピングだ。

あらゆる種類の商品が非常に安価に楽しめるというチャイナ・タウンの魅力は、インターネット時代の現代にあっても全く色あせることは無い。

日常の食料品から衣料品、電化製品。近年ではコンピューター関連商品から携帯電話まで。

そして偽物の有名ブランドの腕時計やバッグ類など、がらくたから高級品まで生活一式が全てこの場所で調達できる。

質と価格もバラバラで、必要なのは眼力と交渉力。

また価格も相手を見て決めることが多いため、安く手に入れられるか高く売りつけられてしまうかはあなた次第だとも言える。

相手に一目置かれたら、そのうち奥の方から店主が目玉商品をこっそり持ち出してくる、などといったこともあるだろう。

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Photo : NYCOARA

中には違法な商品を扱う店も目にする。

有名ブランドのバッグや腕時計、メジャーリーグのユニフォームや日本のアニメのキャラクターグッズまで、その時流行しているものならばなんでも売っている。

もちろんこれらはいかにチャイナ・タウンとは言え違法行為。

なので、どこから情報が流れるのか、それまで偽物の腕時計を並べていた露店がなぜか急に店じまいしたかと思えば、すぐに警官がパトロールにやってくるといった光景はチャイナ・タウンではごく当たり前だ。

現地の人の紹介が無いと入れないような店も少なくはなく、観光客にはやや敷居が高いかもしれないが、同じニューヨークでも5番外の有名ブランドショップでのショッピングとは一味違った楽しみを味わえる。

キャナル・ストリート・プライス

驚くほどの低価格が売りだったチャイナ・タウン。

しかし昨今ではインターネットとそこでのショッピングが大きく普及したこともあって、チャイナ・タウンでの実売価格がオンラインでのそれに及ばないこともしばしばとなった。

一時期はさすがのチャイナ・タウンも衰退なのかと懸念する声もあったが、そこはやはりしたたかなビジネスを営むう彼ら。

彼ら自身がオンライン経由で商品を仕入れ、それを店頭で販売、もしくはオンライン・ショップを開設といった方向にシフトすることでビジネスは再び活性化の兆しを見せているという。

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Photo : NYCOARA

これは、アリババなどの大手中華系ショッピングサイトでは英語の表記があるものの、多くの中国の工場や卸業者は英語の表記がなく、他の言語圏の人々には敷居が高い。

しかしそういうところは大手よりもさらに低価格で様々な製品を提供しているとあって、言葉の面で障害がない彼らはその隙間でのビジネスを独占できるという図式になっているのである。

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Photo : NYCOARA

それでも今でもやはりチャイナ・タウンの格安料金は購買意欲を刺激する。

そして他の地域で格安を売り物にする小売店が宣伝文句にしばしば用いるのが「ビート・キャナル・ストリート・プライス」という文言。

つまり「うちはキャナル・ストリートで見かける価格よりも安い価格で提供していますよ」という意味。

このようなキャッチコピーはここニューヨークに住んでいないと通じない言い回しだ。

これが判るとあなたももうすっかり地元ニューヨーカーの一員、なのかもしれない。

特に目的を持たないウインドウ・ショッピングであっても、チャイナ・タウンの散策は刺激に溢れたものとなるはず。

もし機会があったなら、ぜひぶらぶらと歩いて、街並みに、そして人の流れに身をゆだねてみてほしい。

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Photo : NYCOARA