2019年、クルマメーカーは「自動運転システム」を買えるようになる

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自動車部品メーカーのデルファイとモービルアイは、完全な自動運転を実現するパッケージシステムを共同開発することで提携する。2019年から自動車メーカー各社に販売する計画だ。

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デルファイは、ゼネラルモーターズ(GM)から1999年に分社化された自動車部品メーカーで、電気モーターやラジオ、ナヴィゲーションシステムなどを有名自動車メーカーに供給してきた。一方、モービルアイ(本社オランダ、研究開発センターはイスラエル)は高性能で手ごろな価格のカメラを製造しており、多くの自動車メーカーが、前方車接近警報や自動ブレーキなどのセーフティー技術に採用している。

自動車業界を陰で支えてきたこの2つの企業が現在、オールスターの座を目指そうとしている。完全な自動運転を実現するパッケージシステムを共同開発し、2019年からすべての自動車メーカーへの販売を開始しようというのだ。

モービルアイは、センサー信号処理の技術や、運転環境をリアルタイムでマッピングする技術を提供する。一方、すでに自前の自律走行車を全米でテスト走行させているデルファイは、ソフトウェアのアルゴリズムとレーダーなどのハードウェアを担当する。

自動運転には、倫理、規制、サイバーセキュリティー、デザイン、法的責任に関する懸念がついて回る。「すべての人がクルマを所有する」という自動車業界の原則を脅かす存在でもある。さらに、自動運転の実現は非常に困難で、莫大な資金を必要とする。

自前のシステムを開発する気がない、あるいは開発することができず、それでも将来的に自律走行車を販売したいメーカーにとっては、両社が開発する手軽なパッケージシステムがうってつけかもしれない。

モービルアイのアムノン・シャシュア会長によれば、すでに27のメーカーが、自社の運転支援システムにモービルアイの技術を採用しているという。「こうしたメーカーたちすべてが(完全自動運転の実現に)必要な投資を行うとは考えていませんが、間違いなく投資すると思われるメーカーも存在します」

自動運転を自社で開発するメーカーも複数存在するが、モービルアイとデルファイは、自動運転という恐ろしい世界に足を踏み入れようとしている段階の自動車メーカーに、それなりの信頼性と良好な関係をもたらすことができる。自律走行車やスマートカーを専門とするコンサルタントで、米運輸省の自動運転プログラムのリーダーを務めたこともあるリチャード・ビショップは「彼らを利用しない手はありません」と言う。「2社の提携は、自動運転の実現を加速化させる可能性があります。いずれにせよ、すでに自動運転への動きは加速しており、これからも急激に変化していくでしょう」

自動運転を自社で開発する各社は、最近立て続けに動きを見せている。Uberとボルボは提携して、この夏にペンシルヴェニア州ピッツバーグで完全自律走行車のテスト(日本語版記事)を行う計画だ(ただし人間は同乗する)。

フォードも2016年8月、2021年までに完全自律走行車を量産すると発表した(日本語版記事)ばかりだ。BMWも2016年7月、インテルおよびモービルアイとの提携を発表して、同様の目標を掲げている

GMは2016年1月、自律走行車の全米ネットワークを構築するためにLyftと提携(日本語版記事)したが、さらに開発を加速させるため、8月に新興企業のクルーズ・オートメーションを推定6億ドルで買収した

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